LOVEBAD~ヤクザの息子の副社長と最低最悪の身籠り婚~

「…三咲、ごめん。
体が辛いから、今日はこのまま眠るね」


「分かった。
明日、仕事休んだら?
俺から一枝君に連絡しとくね?」


そう言われ、どうしよう、と思うけど、それに頷いた。


正直、今は仕事になんて行きたくない。


「そういえば、今日病院行ったの?
どうだった?」


それに、心臓が嫌な音を立ててしまう。


「うん…。
問題なかった…」


本当の事が、言えなかった。


「そっか。
あ、また明日にでも、エコーの写真見せて?
さすがにまだ性別とかは分からないよね?」


そうやって、嬉しそうな三咲の声に耳を塞ぎたくなる。


「そういえば、今回はエコー写真貰えなかった…」


本当は、貰ったけど。


前回と比べて、大きくなっていない、子供。


エコー写真を見ただけで、説明しなければ三咲は分からないかもしれないけど、見せられない。


「そうなんだ。
まあ、今日はゆっくりと休んで。
おやすみ」


「…うん。おやすみ」


なんだか、本当に眠ってしまいたくて、目を閉じるけど。

閉じた目から、涙が流れた。


扉が閉まる音を確認してから、私は声を出して、泣いてしまった。



< 54 / 76 >

この作品をシェア

pagetop