LOVEBAD~ヤクザの息子の副社長と最低最悪の身籠り婚~

帰宅し、リビングのソファーに座り、三咲が帰って来るのを待つ。


病院に居た時からそうだけど、恐怖を感じてずっと吐きそう。


それは、緊張に似ている。


流産したのだと診断を下されるのも怖くて、いざ、そう言われ、
次は、それを三咲に伝えないといけなくて…。


三咲は、それを聞いてどう思うのだろうか?


明日の手術だって、凄く怖い…。


テーブルに広げた、手術の同意書。


私の名前も、まだ書き込めないでいる。


私と三咲は、妊娠したから結婚したけど。


もう妊娠していないのならば、
私と三咲はこのまま結婚を続けて行く事は出来るのだろうか?


私は三咲が好きだから、このままで居たいけど。


三咲は…。


そう思うと、怖くて怖くて…。


逃げ出すように、そのままマンションの部屋から出た。


なんだか、もう全てが怖くて。


三咲に会う事も、怖い。



タワマンから出て、なんとなく灯りに誘われ駅の方向へと歩くけど。


ふと、何も持たずに出て来た事を思い出した。


財布もスマホも、マンションのカードキーも持っていなくて。


このまま、どうしようか、と途方に暮れてしまう。


駅に着いたけど、財布もないから電車には乗れなくて。


線路沿いを、ただ歩く。


もう、何も考えたくないな。


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