LOVEBAD~ヤクザの息子の副社長と最低最悪の身籠り婚~
「本当の事言うと、あの日、このネクタイを文乃の膝に巻いてから、文乃の事気になってた。
あの後、あの子うちの会社にちゃんと内定貰えたかな?ってずっと気になってて。
そして、文乃が入社して来て、社内で見掛ける度、話し掛けてみようかな?って、何度も思っていた。
けど、恥ずかしくて話し掛けられなくて」
その事実に、驚いてしまう。
「段々と、今さら話し掛けられないって思っていて…。
でも、あの日、バーで偶然文乃を見掛けて、思いきって話し掛けて。
文乃の反応が良くて、ああやって口説いちゃったんだけど。
それまで、文乃の事は名前もよく知らなかったけど、そうやって気になっている存在だった」
この人も私と同じようにずっと…。
いや、私程、好きだとかそこまでの気持ちはなかったのかもしれないけど。
けど、私と同じように、ずっと私を見ていたんだ。
「だけど、あの日あっさりと文乃は俺と寝て…。
正直、それでガッカリして文乃に興味を無くしたのも本当で。
それに、裏で俺の家の事とか色々噂されてて、ちょっとそれに嫌悪感持って、ついつい文乃に嫌な事言って」
「私はタイプじゃないとか、
あの時、直前に会ってた女の子に断られて、誰でもいいからヤリたかったって」
「うん。
本当に、文乃は俺のタイプじゃないし。
まあ、バーで良さそうな女の子が居ないかな?って思って、あの時立ちよったのも本当なんだけどね」
やはり、私はこの人のタイプじゃないのか。
でも、別にそれはいいや。
「私、三咲にずっと言いたかった事があるの」
「なに?」
「私だって、三咲の事なんて全くタイプじゃないし!」
「え?」
「私、背が高い男の人が好きだし!
可愛い系より、目が鋭い感じで、大人っぽくてクールな人が好きなの!」
ハッキリ言って、私だって三咲の事は全然タイプじゃなかった。
だけど。