LOVEBAD~ヤクザの息子の副社長と最低最悪の身籠り婚~
「こっちが成瀬君で、これが二葉君」
そう言って、見せられた、画像。
目に飛び込んで来た、二葉さんの姿。
「…うそ。二葉さん凄いカッコいい。
背も高そうだし、この切れ長の目。
この人を纏う色気。
私のタイプ…」
二葉さんは、もろに私のタイプだった。
三咲だけじゃなく、岡崎社長にも二葉さんは似ていない。
「だと、思った。
ほら?あの時、文乃から俺タイプじゃないって言われて、
その時、文乃が男のタイプ言ってたけど。
もろ二葉君だと思ったから」
「うん…。こんなカッコいい人が居るなんて」
そう言う私に、三咲はつまんなさそうに、スマホのその画面を閉じた。
「文乃、凄いムカつく。
どうせ俺は、文乃のタイプじゃないもんね」
「え、でも、三咲だって、私の事全然タイプじゃないんでしょ?」
「そうだけど。
けど、俺はお前の事、誰よりもスッゴく可愛いって思ってるのに」
「私だって三咲の事、スッゴく可愛いって思っているよ」
「なんかそれ、逆にムカツク」
プイッと、三咲は私から顔を逸らして、
怒っているその顔が、可愛い。
多分、私が三咲を可愛いと思うのは、そういう所なのだけど。
この人はきっと、外見の事を言われたと思っているのだろうな。
「私は三咲が一番だから」
「なに?その言い方は二番が居るの?」
相変わらず、ちょっとめんどくさい彼。
それにしても、成瀬遥さんの事全然見てなかったな。
(終わり)