LOVEBAD~ヤクザの息子の副社長と最低最悪の身籠り婚~
次こそ
二葉さんの画像を見せて貰った後も、
私達はまだソファーに座り、テレビを観ていた。


「あのさ、さっき成瀬遥さんあまり見られなかったから、見せて」


さっきは、二葉さんの容姿に魅了されて、成瀬さんは全然見ていなかった。


「じゃあ、二葉君が写ってないの探す。
文乃、さっき二葉君に夢中だったの、おもしろくないから」


そう言って、三咲はまたスマホを触り出す。


そうやって、三咲はちょっと妬いているのだと思うと、嬉しい。


「あ、成瀬君と奥さんの広子ちゃんとのツーショットがあったはず…。
にしても、俺、広子ちゃんの事嫌いなのに、なんでそんな写真撮ったんだろ?
だから、もう消してるかも…。
いや、あった」


え、成瀬さんの奥さんの、その広子さんを三咲は嫌いなの?


「三咲、なんで成瀬さんの奥さんの事嫌いなの?」


「嫌いっていうか、生理的に受け付けないの。
だから、前に文乃にあった、ムカツクような感情じゃなくて。
本当に、なんか無理って感じで」


え、生理的に無理とか、よっぽどじゃない?


「これが広子ちゃんなんだけど」


そう言って、私にその写真を拡大して見せてくれた。



「え、美人で大人しそうな人じゃない。
なんで三咲はそんなに広子さんが嫌いなの?」


広子さんは清楚系という感じ?



「成瀬君、昔凄く広子ちゃんに振り回されてて…。
広子ちゃん成瀬君の事を好きだとか言いながら、
常に他の男と付き合ったりとかしてて。
成瀬君、見てて、本当に可哀想だった」


なるほど。

三咲が広子さんを嫌いなのは、友達の成瀬さんが広子さんに傷付けられたからなんだ。


「けど、今は成瀬さんと広子さんは結婚して幸せなんでしょ?
なら、いいじゃない」

そう言うと、そうなんだけどね、と、
三咲はスマホのアルバムのファイルを閉じた。


なんだか、また成瀬さんを見る事が出来なかった。


「…成瀬君も、二葉君程じゃないけど、
きっと文乃のタイプだと思う」


もしかして、わざと成瀬さんを見せないのかな?


それにしても、自分は私の事タイプじゃないとか言いながら、
自分が言われたらけっこう気にしてない?

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