LOVEBAD~ヤクザの息子の副社長と最低最悪の身籠り婚~


「本当に俺、文乃の事好きなんだよね。
会社とかで文乃が他の男と話しているのを見るだけで、イライラするから」


三咲って、けっこう焼きもち妬きなんだ。


「やっぱり、私が岡崎社長の秘書の時とかも、岡崎社長に嫉妬したりした?」


「ううん。一枝君にはべつに」


そっか。

なんか、分かるけど。


三咲の手が私の頭の後ろに回り、
三咲の顔が近付いて来る。


そして、三咲の唇が私の唇に重なる。

三咲のそのキスは、直ぐに唇が離れて。

もう終わりなの?と、三咲の顔を見る。


「文乃、いい?
ほら、体の方大丈夫?」


その"いい?"の意味は、そういう意味だろう。


そして、流産での手術をした私の体を心配してくれている。


あの手術からちょうど1ヶ月。


実は、結婚してからまだ一度も三咲には抱かれていない。


今も、夜は寝室が別々。



「うん。体はもう大丈夫」


心の傷は、まだ完全に癒えてないけど。


「好きだよ。文乃」


「私も三咲が好き。
誰よりも…、
ううん。本当に三咲だけが大好き!
二葉さんや、ちゃんと見た事ないけど、成瀬さんなんかも目に入らないくらいに、三咲がすごく大好き!」


「そっか」


そう、安心したように笑っている。


本当に、この人にはここまでハッキリと言わないと、伝わらないのだな。


「今日から、一緒に寝ない?」

「うん」


三咲のその提案に、素直に頷く。


「じゃあ、今夜、いい?」


「いいよ」


「じゃあ、今はこれだけ」


そう言って、先程よりも深くキスを交わした。



(終わり)

< 71 / 76 >

この作品をシェア

pagetop