LOVEBAD~ヤクザの息子の副社長と最低最悪の身籠り婚~
「本当に俺、文乃の事好きなんだよね。
会社とかで文乃が他の男と話しているのを見るだけで、イライラするから」
三咲って、けっこう焼きもち妬きなんだ。
「やっぱり、私が岡崎社長の秘書の時とかも、岡崎社長に嫉妬したりした?」
「ううん。一枝君にはべつに」
そっか。
なんか、分かるけど。
三咲の手が私の頭の後ろに回り、
三咲の顔が近付いて来る。
そして、三咲の唇が私の唇に重なる。
三咲のそのキスは、直ぐに唇が離れて。
もう終わりなの?と、三咲の顔を見る。
「文乃、いい?
ほら、体の方大丈夫?」
その"いい?"の意味は、そういう意味だろう。
そして、流産での手術をした私の体を心配してくれている。
あの手術からちょうど1ヶ月。
実は、結婚してからまだ一度も三咲には抱かれていない。
今も、夜は寝室が別々。
「うん。体はもう大丈夫」
心の傷は、まだ完全に癒えてないけど。
「好きだよ。文乃」
「私も三咲が好き。
誰よりも…、
ううん。本当に三咲だけが大好き!
二葉さんや、ちゃんと見た事ないけど、成瀬さんなんかも目に入らないくらいに、三咲がすごく大好き!」
「そっか」
そう、安心したように笑っている。
本当に、この人にはここまでハッキリと言わないと、伝わらないのだな。
「今日から、一緒に寝ない?」
「うん」
三咲のその提案に、素直に頷く。
「じゃあ、今夜、いい?」
「いいよ」
「じゃあ、今はこれだけ」
そう言って、先程よりも深くキスを交わした。
(終わり)