LOVEBAD~ヤクザの息子の副社長と最低最悪の身籠り婚~

翌日の月曜日。



大きな箱を入れた紙袋を持って帰って来た、三咲。


「香苗女史から、今年も貰った。
ちょっと誕生日より早いけどって。
とりあえず、一人で見る勇気なくて、
開けずに持って帰って来たけど…」


そう言って、それをリビングのテーブルの上に置く。


そして、三咲がその箱の包装紙を剥がすと、
現れたのは、炊飯器の入っている箱。


「「炊飯器!?」」


私と三咲の声が、重なる。


虎グッズじゃなくて良かった、と思う半面。


ちょっと、肩透かしを食らったような。


「三咲、今年は虎グッズじゃなかったね?」


「うん。なんか、ホッとした」


よく分からないが、二人で虎じゃなくて良かった、と思った。


再び、その炊飯器の箱に目を向けて気付く。


それは、虎のあの有名なメーカーの製品だと。


「す、炊飯器、嬉しいな!
早速、使っちゃおう!」

私は三咲に気付かれないようにその箱を持ち、
その場を離れた。


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