裸足のシンデレラは御曹司を待っている
水族館からの帰り、国道沿いにあるショッピングモールに立ち寄った。眠い目を擦る真哉と私は車の中でお留守番。買い物内容は直哉にお任せだ。

待っている間、どうしてもこの後の事を考えてしまう。
城間別邸でのんびりと3人で夕ご飯を食べて、その後はそのままお泊りの予定。キャッ♡

あ、でも、急に泊まる事になってしまったから、下着とかちょっとした小物や真哉の着替えとか家に取りにいかないと……。

綺麗な下着ってあったかな?
ずっと、そんな色っぽい話なんて無かったから、油断していた。
下着以前に体型だって子供を産んでからは、お腹にお肉が付きやすくなっている。20代半ばのあの頃とアラサーになった今では、肌の質だって変わっているはず。そう思うと常日頃から、保湿したりストレッチしたり、もっと気を付けて置けば良かった。
まあ、今さら反省しても遅いんだけど、少しでも良く見られたいのは女心としてはしょうがないのだ。

自分で二の腕やお腹周りのお肉をプニプニとつまんで、フゥーっとため息を吐く。

そんな事に思考を巡らせていると、直哉が買い物を済ませ車に戻って来た。

「お待たせ、口に合えばいいんだけどオードブルやお寿司、ジュース、それと泡盛スパーリングシークワーサーを買ったよ。他に足りないものある?」

足りないもの……。
ボンッ、キュッ、ボンのナイスバディとは、言わないけれど、ずっと恋愛から遠ざかっていた私。
きっと、お色気が足りないはずだ。

夜の事から思考が戻らない。
なんて、自分はエッチなんだろう。
そんな考えをごまかすように慌てて答えた。

「きっと、大丈夫!」

合っているようで、合っていない事を言っている自覚はある。
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