裸足のシンデレラは御曹司を待っている
子供の頃から幼馴染の陽太とは、たくさんの時間を過ごしてきた。私にとって信頼のおける家族のような存在。でも本当の家族じゃない。
直哉の手を取ったら、もしかしてこのまま縁が切れてしまうのかも……。
大切だからこそ、失いたくない。
でも、大切だからこそ、嘘もつきたくない。
「ごめん……。ごめん陽太。私、陽太と過ごしてきた日々も大切なの。だから、柏木さんがダメなら陽太とか……そんなこと出来ない。ずっと、助けてもらっていたのに、甘えっぱなしで陽太の気持ちに気が付けなくて、ごめんなさい」
真哉の事を自分の子供のように思ってくれる懐の深さも、いつも何気なく助けてくれる優しさも大好きだけれど、それは、恋愛感情ではなく家族愛に近いものだった。
だから、今は陽太の気持ちに応えられない。
俯いた陽太は、気持ちを切り替えるように深く息を吐きだした後、顔を上げる。
「いいよ、謝るなよ。シンが待っているんだろ」
「陽太、ごめんね」
陽太の横を抜け玄関を出ようと足を踏み出した。その私の腕を陽太が掴む。
ハッと顔を上げると眉根を寄せ悲しそうな陽太。それでも瞳は真っ直ぐに私を見つめていた。
「だから、謝るなって。だてに何年も拗らせてねえから、まだあきらめたわけじゃない」
私を掴んでいた陽太の手が、すぅっと解けた。そして、肩をトンと押される。
「シンが待ってんだろ」
ニカッと無理して笑う陽太がいた。
直哉の手を取ったら、もしかしてこのまま縁が切れてしまうのかも……。
大切だからこそ、失いたくない。
でも、大切だからこそ、嘘もつきたくない。
「ごめん……。ごめん陽太。私、陽太と過ごしてきた日々も大切なの。だから、柏木さんがダメなら陽太とか……そんなこと出来ない。ずっと、助けてもらっていたのに、甘えっぱなしで陽太の気持ちに気が付けなくて、ごめんなさい」
真哉の事を自分の子供のように思ってくれる懐の深さも、いつも何気なく助けてくれる優しさも大好きだけれど、それは、恋愛感情ではなく家族愛に近いものだった。
だから、今は陽太の気持ちに応えられない。
俯いた陽太は、気持ちを切り替えるように深く息を吐きだした後、顔を上げる。
「いいよ、謝るなよ。シンが待っているんだろ」
「陽太、ごめんね」
陽太の横を抜け玄関を出ようと足を踏み出した。その私の腕を陽太が掴む。
ハッと顔を上げると眉根を寄せ悲しそうな陽太。それでも瞳は真っ直ぐに私を見つめていた。
「だから、謝るなって。だてに何年も拗らせてねえから、まだあきらめたわけじゃない」
私を掴んでいた陽太の手が、すぅっと解けた。そして、肩をトンと押される。
「シンが待ってんだろ」
ニカッと無理して笑う陽太がいた。