裸足のシンデレラは御曹司を待っている
そうだよね。これから家族として一緒に暮らして行くんだから結婚するんだよね。
だから結婚は自然な流れなのに、改めて『結婚』という破壊的なワードに嬉しいやら、恥ずかしいやら、何とも言えない不思議な感情で胸が熱くなってしまい、心臓のあたりを両手を重ねギュッと抑えた。

親代わりとはいえ、血縁でもない城間のおじさんに挨拶をしてくれるなんて、やっぱり嬉しい。

「城間のおじさんは、東京に事務所があってそちらに居るんです」

「じゃ、アポイントを取って東京に帰ってから会いに行こう」

あ、城間のおじさんも長男の弘明兄さんも東京にいるのにすっかり忘れていた。私、東京に知り合い居るじゃん。まあ、城間のおじさんに子育てを手伝ってもらったりは出来ないけれど、東京に行っても、きっと大丈夫な気がして来た。

「城間のおじさんへ明日の夜か明後日にでも一度連絡をしておきます」

「遥香の都合のいい時でかまわないよ」

直哉の返事を聞いて、安心した。
いくらなんでも陽太に話さないうちに城間のおじさんに連絡をして、おじさんから陽太に話が伝わるような真似は出来ない。
自分の気持ちが決まった事をちゃんと陽太に話しをしようと思った。

「明日の夜、隣の家……城間のおじさんの実家でもあるんですが、そこに行って話をしてきます」

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