裸足のシンデレラは御曹司を待っている
私たちは、車に乗って買い物のために高速道路を軽快に飛ばした。
(沖縄高速道路は覆面パトカーが多いので法廷速度は守っています)

途中、屋嘉のパーキングの看板を見つけてウインカーを立て車を停めた。金武湾が見渡せる景色の良いベンチに座り、パーキングのスタンドで売っている石垣牛バーガーを堪能する。
朝から食べるハンバーガーとしては、少し贅沢なお値段だけれど、新鮮な野菜と美味しいお肉、味のクオリティはお値段以上。納得のおいしさだ。

そして、再び車に乗り、中部にあるショッピングモール到着した。正面玄関にある数体の大きなシーサーが出迎えてくれる。
屋外の駐車場から店内に入ると、携帯ショップや床屋さんなどの店舗があった。その中の不動産屋さんの前で直哉が立ち止まった。
不動産屋さんの壁には賃貸物件や土地建物の売買情報が整然と並べられている。その中の「土地売ります」を興味深く眺めていた。

「どうしたんですか?」

「遥香が今住んでいる所、借りている家なんだよね」

確かに、城間のおじさんの好意で、別荘管理人として住まわせてもらっている立場だ。

「沖縄に帰る時に、城間別邸に泊まってもいいんだけど、それも寂しいだろうから、土地を購入して遥香の好みに城間さんに設計してもらったらどうかな?」

「土地を買う? 家を建てるってことですか?」

あまりのスケールの大きさにポカーンと開いた口が塞がらない。

「しばらくは、別荘使いにして。長期の休みのたびに滞在するなら気兼ねがいらないし、着替えなどの荷物も置けるから、移動も楽だよ」
< 139 / 179 >

この作品をシェア

pagetop