裸足のシンデレラは御曹司を待っている
緩やかなアーチ型の天井が長く続いている。青いモザイクタイルが埋め込まれた廊下を進みドアの前に立った。
金色のドアノブに手を掛ける。けれど、一瞬、開けるのをためらってしまった。
ドアノブに掛けた手を離し、大きく息を吸い込んでから、コンコンとノックをした。
ドアの向こうから「は~い」とのん気な声が聞こえて来る。
小さな溜息を吐き、ドアノブに手を掛けグッと手前に引いた。
開けたドアの向こう。
部屋の中は、白い壁に滑らかな曲線が施された大きな鏡が置かれ、友人からのバルーンアートが華やかに飾られている。摺りガラスの窓からは柔らかな光が差し込み、優しい雰囲気に包まれていた。
その部屋の真ん中で椅子から立ち上がった遥香が、マーメードラインの真っ白なウエディングドレスに身をつつみ、花のような笑顔をほころばせている。
綺麗だ。
でも、口にだせずにその言葉を飲み込んだ。
「おめでとう、遥香」
「ありがとう、陽太。あれ、真哉は? 連れて来てくれるんじゃなかったっけ?」
「今、うちの親父やおばあの所にいるよ」
いつから、遥香がオレの中で特別な存在になったなんて、説明がつかない程、小さい時から一緒にいた。
金色のドアノブに手を掛ける。けれど、一瞬、開けるのをためらってしまった。
ドアノブに掛けた手を離し、大きく息を吸い込んでから、コンコンとノックをした。
ドアの向こうから「は~い」とのん気な声が聞こえて来る。
小さな溜息を吐き、ドアノブに手を掛けグッと手前に引いた。
開けたドアの向こう。
部屋の中は、白い壁に滑らかな曲線が施された大きな鏡が置かれ、友人からのバルーンアートが華やかに飾られている。摺りガラスの窓からは柔らかな光が差し込み、優しい雰囲気に包まれていた。
その部屋の真ん中で椅子から立ち上がった遥香が、マーメードラインの真っ白なウエディングドレスに身をつつみ、花のような笑顔をほころばせている。
綺麗だ。
でも、口にだせずにその言葉を飲み込んだ。
「おめでとう、遥香」
「ありがとう、陽太。あれ、真哉は? 連れて来てくれるんじゃなかったっけ?」
「今、うちの親父やおばあの所にいるよ」
いつから、遥香がオレの中で特別な存在になったなんて、説明がつかない程、小さい時から一緒にいた。