裸足のシンデレラは御曹司を待っている
食器を下洗いして食洗器に入れている間も直哉の視線が追いかけてくる気がする。
ムズムズする~。
マテをしているワンコみたいだ。

なんでもない風を装い、外に出るときつい日差しが照り付ける。
まだ、午前9時を過ぎたばかりなのに熱い。

倉庫から虫取り網を取り出して、プールに落ちた葉っぱを虫取り網で掬い始めた。

あつーい。
出来ることならこのままプールに飛び込みたい!

ザザザッと風が吹き、木々が煽られ大きく揺れた。
プールの水面も小さなさざ波が立ち、落ち葉が流され遠ざかる。

「あ、もう少しで取れるのに」

身を乗り出し、風で動いた葉っぱを取ろうと網を持つ手を伸ばした。

「あっっ!」
と思った瞬間には、ドボーンと派手な水音を立て、頭からプールにまっさかさま。

ドジった。いくら飛び込みたいって思っても服も着たままは、やばい。
いきなり落ちたから上下の感覚がわからない。
ブクブクと肺の空気が尽きていく。
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