裸足のシンデレラは御曹司を待っている
そんな余計な事を考えていたせいか、ボールを後ろにそらしてしまう。
振りかえるとコロコロと私道の方に転がって行ってしまっていた。
私道だから私たち以外に使う人もなく、転がる黄色いボールが石に跳ね砂利で方向を変えたのが見える。草むらの中に入ったら蛇とか居そうだし取るのが大変だ。
「あ、ごめん、取ってくるね」
「ママのへたくそー」
ボールを追いかけ慌てて、私道に飛び出した。
まさか、このタイミングで直哉の車が来ていたなんて!
あっ!
ザッザリザリとタイヤが砂利を踏んだ。
さほどスピードが出ていなかったおかげか、車は寸でのところで停まった。
「柏木様、脅かせてしまってすみません。お怪我ございませんか?」
運転席にいる直哉に声を掛けた。
いくらスピードが出ていなかったとはいえ、人がいきなり飛び出して来たのだから、どれだけ驚いたことだろう。
すると、直哉の顔は青ざめ、痛みを堪えるように頭を抱え始めた。昼間言っていた事故の後遺症の頭痛の症状だ。きっと、フラッシュバックを起こしたのかもしれない。
「柏木様、どうなさいましたか? 車のロックだけでも外してください!」
直哉が声に反応して頭を抱えながらドアロックに手をかける。
カチッ。
ロックが外れる音が聞こえ、こちらから運転席のドアを開けた。
「柏木様」
「はる……か」
次の瞬間、「ママー」と、声が聞こえ、足元に真哉が縋り付く。
振りかえるとコロコロと私道の方に転がって行ってしまっていた。
私道だから私たち以外に使う人もなく、転がる黄色いボールが石に跳ね砂利で方向を変えたのが見える。草むらの中に入ったら蛇とか居そうだし取るのが大変だ。
「あ、ごめん、取ってくるね」
「ママのへたくそー」
ボールを追いかけ慌てて、私道に飛び出した。
まさか、このタイミングで直哉の車が来ていたなんて!
あっ!
ザッザリザリとタイヤが砂利を踏んだ。
さほどスピードが出ていなかったおかげか、車は寸でのところで停まった。
「柏木様、脅かせてしまってすみません。お怪我ございませんか?」
運転席にいる直哉に声を掛けた。
いくらスピードが出ていなかったとはいえ、人がいきなり飛び出して来たのだから、どれだけ驚いたことだろう。
すると、直哉の顔は青ざめ、痛みを堪えるように頭を抱え始めた。昼間言っていた事故の後遺症の頭痛の症状だ。きっと、フラッシュバックを起こしたのかもしれない。
「柏木様、どうなさいましたか? 車のロックだけでも外してください!」
直哉が声に反応して頭を抱えながらドアロックに手をかける。
カチッ。
ロックが外れる音が聞こえ、こちらから運転席のドアを開けた。
「柏木様」
「はる……か」
次の瞬間、「ママー」と、声が聞こえ、足元に真哉が縋り付く。