裸足のシンデレラは御曹司を待っている
12
◇ ◇ ◇
「ママ、おじさん おきたの?」
「シンちゃん、少し静かにしてくれるかな? TV好きなの見ていいからお願いね」
「うん、わかった」
話し声に意識が覚醒して、瞳を開くと見たこともない部屋の中でベッドの上に寝ていた。
そして、初めて出会った頃より大人の女性になった彼女が覗き込んでいる。
「あ、柏木様。目覚めました? 大丈夫ですか?」
「…………」
ああ、全部思い出した。事故に遭う少し前に俺は沖縄に来ていた。やっと、記憶の扉が開いたんだ。
「ここは?」
「すみません。頭を抱えたまま、意識を失われてしまって、近くのお医者様に見ていただくのに一番近い私の家に運び込んだんです。急に車の前に飛び出してしまってすみません。驚かれましたよね」
彼女が眉尻を下げ悲しそうな顔をしている。
「いや。それより、怪我はなかった?」
「私は大丈夫です」
早く遥香に記憶が戻った事を告げようと布団から身を起こした。
セミダブルの布団の青いシーツは可愛らしいキャラクターの絵柄付いている。8畳ぐらいの部屋、壁際にある箪笥の上にはアルバムとぬいぐるみが並んでいた。
ここは、遥香の部屋なのか?
その時、ドアの向こうから声が聞こえてくる。
「おーい、遥香。先生が見えたぞー」
彼女の名前を呼び捨てにする男性の声がした。そして、小さな子供の声も……。
「せんせい。こんばんは」
「お、シンくん。ちょっと見ないうちに大きくなったなぁ」
遥香は顔をこわばらせ「先生が来たみたいです」と、立ち上がり部屋を出た。
「ママ、おじさん おきたの?」
「シンちゃん、少し静かにしてくれるかな? TV好きなの見ていいからお願いね」
「うん、わかった」
話し声に意識が覚醒して、瞳を開くと見たこともない部屋の中でベッドの上に寝ていた。
そして、初めて出会った頃より大人の女性になった彼女が覗き込んでいる。
「あ、柏木様。目覚めました? 大丈夫ですか?」
「…………」
ああ、全部思い出した。事故に遭う少し前に俺は沖縄に来ていた。やっと、記憶の扉が開いたんだ。
「ここは?」
「すみません。頭を抱えたまま、意識を失われてしまって、近くのお医者様に見ていただくのに一番近い私の家に運び込んだんです。急に車の前に飛び出してしまってすみません。驚かれましたよね」
彼女が眉尻を下げ悲しそうな顔をしている。
「いや。それより、怪我はなかった?」
「私は大丈夫です」
早く遥香に記憶が戻った事を告げようと布団から身を起こした。
セミダブルの布団の青いシーツは可愛らしいキャラクターの絵柄付いている。8畳ぐらいの部屋、壁際にある箪笥の上にはアルバムとぬいぐるみが並んでいた。
ここは、遥香の部屋なのか?
その時、ドアの向こうから声が聞こえてくる。
「おーい、遥香。先生が見えたぞー」
彼女の名前を呼び捨てにする男性の声がした。そして、小さな子供の声も……。
「せんせい。こんばんは」
「お、シンくん。ちょっと見ないうちに大きくなったなぁ」
遥香は顔をこわばらせ「先生が来たみたいです」と、立ち上がり部屋を出た。