裸足のシンデレラは御曹司を待っている
忘れられているのに、こんな気持ちでいるなんて、でも、懸命に5年前の記憶を取り戻そうとしている直哉を見ているとあきらめきれない。
息子である真哉にも出来ればパパと会わせてあげたい。
そんな気持ちが沸き起こる。
リネン類の交換も済み。キッチンに戻った。
直哉は何かを懐かしむように窓の外の景色を眺めている。
コーヒーをカップに注ぎテーブルの上にコトリと置き、直哉が食べ終わったお皿を下げる。
「ありがとう。安里さん、少し話をいいかな?」
「はい、わかりました。私もコーヒーを頂いていいですか?」
「もちろん」
今日、出かけるプランでも立てるのかな。と思いながらカップにコーヒーを注く。
直哉に向かい合わせの席に座わり、コーヒーにミルクと砂糖を入れて、かき混ぜ始める。ミルクが白い線になりグルグルと渦巻き模様になっていく。やがて、ミルクがコーヒーに溶け出していく。
直哉は、私のカップに視線を落とした。
そして、視線を窓の外に向ける。視線を辿ると庭にあるプライベートプールを見つめていた。プールには、あの日のように木の葉がゆらゆらと日差しの反射で輝く水面で揺蕩う。
何かを懐かしむような瞳を細める直哉に、もしかして……。
と期待が膨らみ、心に芽吹く。
海から吹く風が周りの木々を揺らしている。
ふたりの間に流れる沈黙の時間が、穏やかに流れていく。
やがて、直哉の視線が私に向いた。その瞳は、以前のような優しい色をしている。
「何から話せばいいのか……」
逸る気持ちを抑え、直哉からの次の言葉を待った。
息子である真哉にも出来ればパパと会わせてあげたい。
そんな気持ちが沸き起こる。
リネン類の交換も済み。キッチンに戻った。
直哉は何かを懐かしむように窓の外の景色を眺めている。
コーヒーをカップに注ぎテーブルの上にコトリと置き、直哉が食べ終わったお皿を下げる。
「ありがとう。安里さん、少し話をいいかな?」
「はい、わかりました。私もコーヒーを頂いていいですか?」
「もちろん」
今日、出かけるプランでも立てるのかな。と思いながらカップにコーヒーを注く。
直哉に向かい合わせの席に座わり、コーヒーにミルクと砂糖を入れて、かき混ぜ始める。ミルクが白い線になりグルグルと渦巻き模様になっていく。やがて、ミルクがコーヒーに溶け出していく。
直哉は、私のカップに視線を落とした。
そして、視線を窓の外に向ける。視線を辿ると庭にあるプライベートプールを見つめていた。プールには、あの日のように木の葉がゆらゆらと日差しの反射で輝く水面で揺蕩う。
何かを懐かしむような瞳を細める直哉に、もしかして……。
と期待が膨らみ、心に芽吹く。
海から吹く風が周りの木々を揺らしている。
ふたりの間に流れる沈黙の時間が、穏やかに流れていく。
やがて、直哉の視線が私に向いた。その瞳は、以前のような優しい色をしている。
「何から話せばいいのか……」
逸る気持ちを抑え、直哉からの次の言葉を待った。