裸足のシンデレラは御曹司を待っている
19時を過ぎた頃、ようやく刺すような日差しが傾き、爽やかな風が吹く。見上げた空が仄かに明るく、白く寂し気な月が浮かんでいる。
庭にあるプライベートプール、夜間照明に照らされた水面が幻想的な雰囲気を醸し出していた。
その横を抜けて、花ブロックの脇を曲がる。
手にはショッピングモールで買った袋を下げ、遥香の家に向かっていた。
砂利道を少し歩き、平屋の小さな家の前に軽自動車が停まっているのが見える。
良かった、家にいるんだなと思いながら、インターフォンを押した。
「はーい、今、行きます」
と家の中から遥香の声が聞こえ、カラカラと引き戸が開いた。
玄関先に立つ俺を見つけ、一瞬、目を見開いた遥香。だが、直ぐに業務用の笑顔に変わる。
「柏木様、今日は勝手言ってすみませんでした。ご案内できずに申し訳ありません」
「いや、大変だったね。お子さんの様子はどう? これ、たいしたものじゃないけどお見舞いを持って来たんだ」
手に持っていた袋を遥香に手渡した。袋の中身は数種類のフルーツ盛り合わせと子供に人気の機関車の絵本だ。
遠慮がちに受けった遥香はその中身を見て、顔をほころばせた。
「お気遣い頂きありがとうございます。転んで、顔に派手な擦り傷を作ったのと手首のねんざで済んだので、軽傷で済みました」
「あ、きのうのおじさんだ」
遥香の後ろからひょっこりと顔を覗かせたシンちゃん。やっぱり自分の小さい頃にそっくりだと思った。
庭にあるプライベートプール、夜間照明に照らされた水面が幻想的な雰囲気を醸し出していた。
その横を抜けて、花ブロックの脇を曲がる。
手にはショッピングモールで買った袋を下げ、遥香の家に向かっていた。
砂利道を少し歩き、平屋の小さな家の前に軽自動車が停まっているのが見える。
良かった、家にいるんだなと思いながら、インターフォンを押した。
「はーい、今、行きます」
と家の中から遥香の声が聞こえ、カラカラと引き戸が開いた。
玄関先に立つ俺を見つけ、一瞬、目を見開いた遥香。だが、直ぐに業務用の笑顔に変わる。
「柏木様、今日は勝手言ってすみませんでした。ご案内できずに申し訳ありません」
「いや、大変だったね。お子さんの様子はどう? これ、たいしたものじゃないけどお見舞いを持って来たんだ」
手に持っていた袋を遥香に手渡した。袋の中身は数種類のフルーツ盛り合わせと子供に人気の機関車の絵本だ。
遠慮がちに受けった遥香はその中身を見て、顔をほころばせた。
「お気遣い頂きありがとうございます。転んで、顔に派手な擦り傷を作ったのと手首のねんざで済んだので、軽傷で済みました」
「あ、きのうのおじさんだ」
遥香の後ろからひょっこりと顔を覗かせたシンちゃん。やっぱり自分の小さい頃にそっくりだと思った。