炎のシークエンス
「レンレンが本気出してきてるし、こっちものんびりしてられない。心春、日帰り温泉でも行こうよ」
「温泉は……これがきれいになったらでいい?」

私は、服の上から指さした。気づいた桃子はムッとした。

「レンレンのやつ……やっぱり許さん。よし、絶叫マシン乗りに行こ!」
「だから、私は仕事だって。また今度、桃子の休みに合わせるから」
「絶対よ?レンレンには負けないわ」

何を戦っているのやら。酔った桃子の頭の中がよくわからない。

「心春、大好き。帰ってきてくれてホントにうれしいの。どんどん痩せて、笑わなくなって本当に心配だったんだから。早く、元気になぁれ」
「ありがと、桃子。心配してくれてありがとう。私も桃子のことが大好きだよ」

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