炎のシークエンス
……うれしい。

連太郎が一日私のことを考えてくれてたなんて、正直うれしすぎる。

酔った勢いであんなことしちゃって。もう、一番近い幼なじみでいられないって落ち込んでたのに。

いやいや待てよ、落ち着け、私。連太郎が好きなのは、桃子なんだぞ。
私のことを考えてたって言っても、もしかしたらこれからの付き合い方を考えてたってことかもしれない。
酔った勢いでカンタンに寝る女だった、って思われてたりして?

それは、やだなぁ。


[忘れてください。私は何も覚えていないので]


そう返信するのが精一杯だった。
私の送ったメッセージはすぐに既読が付いた。


それきり、連太郎からメッセージが送られてくることはなかった。


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