炎のシークエンス
※※※


[忘れてください。私は何も覚えていないので]


そのメッセージは俺を天国から一気に地獄へと突き落とした。

やっと。やっと長年の想いが心春に通じたと思ったのに。覚えてないってなんだよ。

次に会う時は、念願叶って恋人同士。あいつの体に押しておいたキスマークが消える前にめちゃくちゃラブラブになって、ヤリまくって、なんなら結婚なんて話もしちゃおうかなんて。

そんなこと思ってた俺って、バカだな。

心春の心はまだ傷が癒えていない。焦っちゃだめだとわかってるのに。

スマホを机の上に置いて、俺は業務に戻った。

俺は消防隊に属しているが、救助隊と救急隊も兼務している。消防活動、救急活動、救助活動等、現場活動で多くの経験が得られることは、やりがいがある。

だけどさすがにあのメッセージはショックで、落ち込んでしまう。

どうか、今夜はおだやかな夜になってくれ。出動要請がありませんように。




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