炎のシークエンス
※※※

数日後。

私は定期的に通院している大学病院に来ていた。

いつものように診察を受ける。調子がいいから薬を軽いものに替えると言われた。すこしずつ良くなってきているのがうれしい。

この病院は桃子が勤務している。仕事してる桃子、ちょっと見たいな。でも救急センターなんて入れないか。

入れないと思いつつ、救急センターの場所を探してしまう。


あ、この廊下の向こうだ。

私は好奇心でちょっと覗いてみた。

うわ……外に救急車止まってるじゃん。
すごく緊迫したムード。とてもじゃないけど、桃子を探すなんてできないや。
と思っていたのに。

「心春?」

後ろから声をかけてくれたのは……

「桃子!仕事中ゴメン」
「今、休憩中。あ、そっか、今日受診の日か」
「良くなってるって言われたの。薬も軽いものにしましょうって」
「やったじゃん!よしよし、いいぞ」

桃子も喜んでくれた。


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