Second story
「明日奈。」
友達に呼ばれて高校に近づいていることに気づく。
「あ、あぁ。おはよ、美琴。」
彼女は唯一中学から一緒の友人だ。
「昨日ねテレビで…」
正直、あまり聞いていなかった。
前を通り過ぎた人に目が行っていた。
黒髪で少し赤みがかっている目をした背が高い、同じ高校の制服を着た生徒。
特に変わっている人でもないのに既視感があった。
「ねぇ…明日奈?」
一瞬誰か分からなかったが美琴と一緒だったことを思い出す。
「あ、ごめん。何?」
すると彼女は少し呆れたように、
「もういいよ。」
と笑った。
美琴にたいして申し訳なく思いながらも私は気になって聞いてみた。
「あの人、誰?」
「え、誰のこと」
「あの人、前の、黒髪の」
「あぁ、日向くんだよ。山崎日向、3組の。」
「へぇ。」
何その反応、と美琴が笑った。
「格好いいよねぇ。」
日向って似合わないなとかそんなこと思っていた私は
「そだね。」
と気のない返事しかできなかった。
ーその日の夜、祖母が亡くなった。
友達に呼ばれて高校に近づいていることに気づく。
「あ、あぁ。おはよ、美琴。」
彼女は唯一中学から一緒の友人だ。
「昨日ねテレビで…」
正直、あまり聞いていなかった。
前を通り過ぎた人に目が行っていた。
黒髪で少し赤みがかっている目をした背が高い、同じ高校の制服を着た生徒。
特に変わっている人でもないのに既視感があった。
「ねぇ…明日奈?」
一瞬誰か分からなかったが美琴と一緒だったことを思い出す。
「あ、ごめん。何?」
すると彼女は少し呆れたように、
「もういいよ。」
と笑った。
美琴にたいして申し訳なく思いながらも私は気になって聞いてみた。
「あの人、誰?」
「え、誰のこと」
「あの人、前の、黒髪の」
「あぁ、日向くんだよ。山崎日向、3組の。」
「へぇ。」
何その反応、と美琴が笑った。
「格好いいよねぇ。」
日向って似合わないなとかそんなこと思っていた私は
「そだね。」
と気のない返事しかできなかった。
ーその日の夜、祖母が亡くなった。