夢みる少女は、寂しがり詐欺師に騙されない。

ユメカがオレのアパートに越してきた



「こっち帰って来て急に同棲とか
ユメカのお母さん心配してなかった?」



「うん
ウサギがちゃんと挨拶してくれたし…
ずっとウサギが
私を支えてくれてたの知ってるから…
独り暮らしより心配じゃないって」



「そっか…
引っ越しで疲れただろ
オレ今日なんか作るよ」



「ウサギ、料理上達したの?」



「おかげさまで
誰も作ってくれる人いなかったから…」



「楽しみ!

でも、もう少し近くにいてよ」



ソファーから立とうとしたら

ユメカがオレを引っ張った



「これからずっと近くにいれるよ」



「うん…
でも、もう少し…」



ソファーに座ったら

ユメカがオレのヒザを枕にした



「ミチュみたい」



ヒザの上のユメカを撫でた



よくオレのヒザにのってた

そぉそぉこんなしっぽで



ユメカの結んだ髪を触った



「ウサギ…」



「ん?」



ゆっくり

ユメカの細い腕が

オレを引き寄せた



「ミチュじゃないよ」



ユメカの唇が触れた



ーーー



「うん…ミチュじゃないみたいだね」



ユメカを抱きしめた



抱きしめることで

ユメカの存在を確認する



ホントにユメカが近くにいる



「ウサギ…
これからも好きだよ」



「うん、こちらこそ…

大切にするよ」



「ウサギ…大好き…」



ーーーーー



ユメカ

変わったね



真っ直ぐ

伝えてくれる



オレの瞳を見て



「明日も…明後日も…
ずっと好きだよ…ユメカ」



ーーーーー

ーーー



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