夢みる少女は、寂しがり詐欺師に騙されない。

残りのアイスカフェラテを飲みながら

ひとりで帰った



寒い

ホットにすればよかった



さっきウサギを見て一瞬熱くなった背筋が

冷たくなった



雨はまだ降ってなかったから

傘を置いてきた



〔傘置いてきたから降ってたら使って〕



いつもの場所に置いて

ウサギにメッセージした



私とウサギだけがわかる場所



ウサギはいつも傘持ってないから

いつもそこに置き傘してた



「誰かに取られたらどーしよ」

私がそう言ったら



「取っても恥ずかしくてさせないくらい
派手なのにすればいい」

ウサギがそう言って

赤の派手な傘をふたりで選んで買った



だけど

私達もさすのが恥ずかしくて

また他の傘を買った



黒の傘

内側にウサギが

『オマエは呪われる』って

白いペンで書いた



「これなら取ったヤツ、返すだろ」



さすたびに

ふたりで笑った



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