社長の渇愛
交際と策略
「どうぞ!」

亜伊のマンション。
玄関を開けた亜伊が、心花を中に促した。

「お、お邪魔します」
心花が中に入り、亜伊も中に入る。
玄関の鍵をガチャンとかける。

そして心花を後ろから抱き締めた。
「嬉しい…心花が、俺のモノになってくれた……!」
「亜伊…」
「んー?」
心花の頬に、頬をすり寄せる亜伊。

「私でいいんですか?」
「心花がいい」
「私、めんどくさい女ですよ?」
「うん、いいよ」
「普通だし…」
「俺にとっては、新鮮!
…………後は?」

「え?」
「あと、不安なことは?
何でも言って?」
「正直、不安だらけです…」
「フフ…だろうな。でも大丈夫。
何があっても、放さない……!」
そう言った亜伊は、心花の耳にチュッと音をさせキスをした。

「ひゃぁ…!!!?」
ビクッと反応し、思わず亜伊の腕の中から逃げる心花。

「弱いの?耳」
「ち、違います!!」
「でも、顔も耳も真っ赤!可愛い~」
「……////」

「フフ…中、入ろ?
ずっと玄関にいても、何もできねぇし」



「━━━━━スッゴい、空間…!!!?」
さすがとも言える高級マンションの一室。
何もかもが、高級感を漂わせていた。

「心花、ワイン飲める?」
「あ、はい」
ソファに並んで座り、グラスを合わせる。

「乾杯!」
「乾杯…
ん…美味しい……」

亜伊が心花の頬に触れる。
「こんな感覚、初めて……」

「え?」
「連れ去りたいとか触れたいとか、キスしたいとか……こうゆうの」

「そう…なんですか?」
「うん、そんなこと思ったことないんだ。
だいたい…俺の間合いって言うのかな?
俺の中に踏み込んでいいラインがあって、そこに入れる人間は限られてるんだ。
心花は、簡単に入ってきた。
敬吾でも、許されない間合い」

「間合い…」
亜伊が心花の手の中のグラスを取る。
ワインを一口含むと、心花に口唇を重ねてきた。

「んんっ…!!?」
心花の口の中にワインが流れてくる。

急に酔いが回ったように、頭がボーッとしてくる。

そのままソファに押し倒され、組み敷かれた。
「その顔、エロッ…!!」
「亜伊…」
心花が亜伊に手を伸ばす。


その手を亜伊が指を絡めて握り、キスをした。




そのまま二人は、抱き合い落ちた。

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