社長の渇愛
心花は、酔ったように亜伊にしがみついていた。
何度果てても止まらない。

それは、亜伊も同じだ。


喉が渇く━━━━━


何度果てても、心の渇きが満たされない。


「んぁぁ……亜伊…も…だめ…」

「俺の方がダメ…
全然!満たされてない……
自分でもびっくりするくらい、心花が愛しい……!
欲しくて堪らない」
亜伊が心花の汗で貼り付いた髪の毛を優しく払う。

「でももう…身体が……もちません…」
「………じゃあ、一度休憩させてあげる」

ゆっくり心花の中から出ると、心花を優しく起こした。
そして亜伊の着ていたジャケットを羽織らせた。

「………あ、あの…亜伊…」
「ん?」
「ごめんなさい…」
「なんで、謝るの?」
「拒んだから…」
「謝ることじゃないでしょ?
喉、渇かない?」
「あ、はい」

亜伊は心花の頭をポンポンと撫で、下着だけはきキッチンに向かった。

その姿を見つめる、心花。
引き締まった亜伊の身体。

ほんと、非の打ち所がない亜伊。

あの身体に先程まで抱かれ、しがみついていた。
今になって、恥ずかしさが込みあがる。
近くにあったクッションで、顔を隠した。

「……////」
ふと、背中の引っ掻き傷に気づく。
(もしかして、私が……?)

「心花、何?ジッと見て。
早く、続きしたい(笑)?」
「あ、いや、違っ…////」
ソファに座った亜伊。

「可愛いなぁー
水、飲ませてあげる」
ワインの時と同じように、亜伊が水を口に含み飲ませた。

「んん…」
「心花、俺とのキス…好き?」
「え?」
「だってキスの後、スッゴいエロい顔するから」
「…好き…で、す…////」

「ほんっと、可愛いなぁ。
今度は、ベッド行こ?
一晩中……抱かせてね!」
「ひ、一晩中ですか!?」
「うん、止まらないんだ」
「でも私…帰らないと…」
「あー、実家だもんな。ご両親、心配するよな……」
「すみません…」

「じゃあ、風呂入ろ?」
「あ、はい」

「━━━━━あの、あんま…見ないで…くださ…///」
「うーん、無理!目をそらしたくない」
バスタブで、亜伊の足の間に挟まれている心花。
恥ずかしさで、顔や耳を真っ赤にして俯いていた。

「心花も俺を見てよ」
「でも、恥ずかしくて…////」
「さっき、あんな乱れてたのに?」
「……/////さ、さっきは、何と言いますか…」
「俺にしがみついて、スッゴく可愛かったよ!」

「しがみ……あ!そうだ!ごめんなさい!」
急にバッと顔を上げ、亜伊を見る心花。
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