社長の渇愛
威望と怨望
「んんっ…」
亜伊がマンションを出ていって数十分後、心花が目を覚ました。
「あれ?亜伊?」
サイドテーブルにメモを見つける。
“心花。おはよ!
また、急な仕事が入ったんだ。でも今日は、そんなに遅くならないよ。だからいい子で待っててね!
家の中のモノは、何でも使って構わないから!
ごめんね、同棲初日の朝に一人にさせて…
後からちゃんと、埋め合わせさせてね!
愛してるよ。
亜伊”
と丁寧な字で書かれていた。
「亜伊、仕事か…」
寂しそうに呟き、ゆっくりベッドを降りた。
そしてバスルームに向かい、ゆっくり入浴する心花だった。
そしてその頃の亜伊━━━━━━
あるビルの前に来ていた。
「ボス、お疲れ様ですっ!」
「お疲れ様です!」
ビルの前に立っていた黒服の男が、亜伊に頭を下げ挨拶する。
亜伊は何も反応さず、中に入っていく。
御笠は頭を下げ、見送った。
「御笠、今日のボス…機嫌わりぃの?」
男が御笠に聞く。
「はい。今日は特別な日だったので……」
「…………特別?」
最上階の部屋に向かい、ノックもせずにバン!!と乱暴にドアを開け入った亜伊。
「あ、ボス。おはよ」
中には、黒羽組・若頭 黒滝 竪羽がいた。
「おはよ」
軽く挨拶すると、ソファに乱暴に座った。
「ボス、ご機嫌ななめ?」
「うん」
「ごめんね」
「うん」
「じゃあ、手短に話すね」
「うん」
黒滝が傍に控えていた部下に“おい”と言うと、その部下が資料をだした。
「三葉組が、最近僕の周りを探ってるの」
「へぇー
でも俺は、情報売らないよ」
「は?三葉の情報なんか何の役にたたないからいらないよ」
「チゲーよ!黒滝の情報を売らないから心配するなっつってんの!?」
「わかってるよ!
ボスがそんな簡単に情報を売るなんて思ってないよ。ただね!ボス、女ができたよね?」
「…………もう、情報流れてんの?」
「当たり前でしょ?
倉澤 亜伊の女だよ?みんな、興味津々なんだから」
「で?」
「だから!その心花ちゃんに接近しそうだから、教えてあげてるの」
「竪羽」
「━━━━━え?」
「心花の名前、気安く呼ぶな」
「え?そんな怒んないでよ!」
「………」
「わかった。もう呼ばないから!」
「あと、三葉が黒滝の周りを嗅ぎ回ってるのは知ってる。大丈夫。ちゃんと対策はねってるから」
「そう。だったらよろしくね!」
「ん。つか!こんな話なら、俺をここに呼ぶ必要なかったんじゃね?」
「だって、ボスに会いたかったんだもん!」
亜伊がマンションを出ていって数十分後、心花が目を覚ました。
「あれ?亜伊?」
サイドテーブルにメモを見つける。
“心花。おはよ!
また、急な仕事が入ったんだ。でも今日は、そんなに遅くならないよ。だからいい子で待っててね!
家の中のモノは、何でも使って構わないから!
ごめんね、同棲初日の朝に一人にさせて…
後からちゃんと、埋め合わせさせてね!
愛してるよ。
亜伊”
と丁寧な字で書かれていた。
「亜伊、仕事か…」
寂しそうに呟き、ゆっくりベッドを降りた。
そしてバスルームに向かい、ゆっくり入浴する心花だった。
そしてその頃の亜伊━━━━━━
あるビルの前に来ていた。
「ボス、お疲れ様ですっ!」
「お疲れ様です!」
ビルの前に立っていた黒服の男が、亜伊に頭を下げ挨拶する。
亜伊は何も反応さず、中に入っていく。
御笠は頭を下げ、見送った。
「御笠、今日のボス…機嫌わりぃの?」
男が御笠に聞く。
「はい。今日は特別な日だったので……」
「…………特別?」
最上階の部屋に向かい、ノックもせずにバン!!と乱暴にドアを開け入った亜伊。
「あ、ボス。おはよ」
中には、黒羽組・若頭 黒滝 竪羽がいた。
「おはよ」
軽く挨拶すると、ソファに乱暴に座った。
「ボス、ご機嫌ななめ?」
「うん」
「ごめんね」
「うん」
「じゃあ、手短に話すね」
「うん」
黒滝が傍に控えていた部下に“おい”と言うと、その部下が資料をだした。
「三葉組が、最近僕の周りを探ってるの」
「へぇー
でも俺は、情報売らないよ」
「は?三葉の情報なんか何の役にたたないからいらないよ」
「チゲーよ!黒滝の情報を売らないから心配するなっつってんの!?」
「わかってるよ!
ボスがそんな簡単に情報を売るなんて思ってないよ。ただね!ボス、女ができたよね?」
「…………もう、情報流れてんの?」
「当たり前でしょ?
倉澤 亜伊の女だよ?みんな、興味津々なんだから」
「で?」
「だから!その心花ちゃんに接近しそうだから、教えてあげてるの」
「竪羽」
「━━━━━え?」
「心花の名前、気安く呼ぶな」
「え?そんな怒んないでよ!」
「………」
「わかった。もう呼ばないから!」
「あと、三葉が黒滝の周りを嗅ぎ回ってるのは知ってる。大丈夫。ちゃんと対策はねってるから」
「そう。だったらよろしくね!」
「ん。つか!こんな話なら、俺をここに呼ぶ必要なかったんじゃね?」
「だって、ボスに会いたかったんだもん!」