社長の渇愛
「はい。恩返しって程、立派なものじゃないけど……」
「そうなんだ!
…………ちょっと待ってね!」
亜伊はポケットからスマホが取り出し、電話をかける。
「え?倉澤さん?」
「あ!御笠?
確か、受付の社員が辞めるみたいなこと言ってたよな?
━━━━━うん、うん。一人いるんだ!そう!
だから、明日連れてくから!
はーい、よろしくー」
通話を切った亜伊。
心花に向き直った。
「心花、受付嬢お願いできる?」
「へ!?あ、あの…話が全く、見えません」
微笑んだ亜伊は、心花に名刺を渡した。
【倉澤ガード(株)
代表取締役・倉澤 亜伊】
「あ、あ、社長さんだったんですか!!?」
「うん。社長さんだよ、俺」
「━━━━」
フリーズする、心花。
「固まってる(笑)」
(ヤバ…スッゲー可愛い…/////)
「………」
「心花」
「あ、はい!」
「どうする?
チャンスは、逃さない方がいいよ!」
「お願いします!!」
「━━━━━あ、あの!」
「ん?」
「私、一人で大丈夫です!」
「危ないじゃん!こんな夜道に、心花一人で歩くなんて。ストーカーのこともあるし」
その後、亜伊が心花を自宅まで送っていた。
「それに……」
「ん?」
「手…/////」
心花はしっかり亜伊に手を繋がれていた。
「だって、触れたいんだもん!」
「手…大きいな……」
心花は呟き、目が潤んでいた。
「━━━━━━っ心花!?ご、ごめんね!
そんな嫌だった!?手、繋ぐの」
亜伊は驚愕し、バッと手を離す。
「あ、違うんです!星乎くんと似てたから、つい……」
「は?誰?それ」
亜伊は自分でもびっくりするくらい冷たい声が出ていた。
「え?倉澤…さん…?」
「あ、いや…ごめんね!つい、身体が冷たくなって…」
「彼……じゃない。元彼です」
「え……?」
「振られたんです!
私…就職の内定も全部ダメで、彼に慰めてもらおうって彼の家に行ったら、なんと!私の友達と抱き合ってたんですよ!!最低ですよね!?
フフ……ほーんと、最悪です!最悪過ぎて、思わず笑っちゃいました!
…………倉澤さんの手が大きくて、温かくて……つい、彼を思い出しちゃって……
あ、でも!倉澤さんは、彼と全く、1ミリも違いますからね!倉澤さんはとっても素敵な人なのに、彼を重ねるなんて失礼だ!」
「………」
「倉澤さん?」
「……………それで、さっき泣いてたの?」
「え?あ、はい…」
亜伊は、自分の前髪をクシャッと掴み俯いた。
「え……倉澤さ━━━━━━」
亜伊の顔を覗き込んだ心花を、亜伊は力強く抱き締めていた。
「そうなんだ!
…………ちょっと待ってね!」
亜伊はポケットからスマホが取り出し、電話をかける。
「え?倉澤さん?」
「あ!御笠?
確か、受付の社員が辞めるみたいなこと言ってたよな?
━━━━━うん、うん。一人いるんだ!そう!
だから、明日連れてくから!
はーい、よろしくー」
通話を切った亜伊。
心花に向き直った。
「心花、受付嬢お願いできる?」
「へ!?あ、あの…話が全く、見えません」
微笑んだ亜伊は、心花に名刺を渡した。
【倉澤ガード(株)
代表取締役・倉澤 亜伊】
「あ、あ、社長さんだったんですか!!?」
「うん。社長さんだよ、俺」
「━━━━」
フリーズする、心花。
「固まってる(笑)」
(ヤバ…スッゲー可愛い…/////)
「………」
「心花」
「あ、はい!」
「どうする?
チャンスは、逃さない方がいいよ!」
「お願いします!!」
「━━━━━あ、あの!」
「ん?」
「私、一人で大丈夫です!」
「危ないじゃん!こんな夜道に、心花一人で歩くなんて。ストーカーのこともあるし」
その後、亜伊が心花を自宅まで送っていた。
「それに……」
「ん?」
「手…/////」
心花はしっかり亜伊に手を繋がれていた。
「だって、触れたいんだもん!」
「手…大きいな……」
心花は呟き、目が潤んでいた。
「━━━━━━っ心花!?ご、ごめんね!
そんな嫌だった!?手、繋ぐの」
亜伊は驚愕し、バッと手を離す。
「あ、違うんです!星乎くんと似てたから、つい……」
「は?誰?それ」
亜伊は自分でもびっくりするくらい冷たい声が出ていた。
「え?倉澤…さん…?」
「あ、いや…ごめんね!つい、身体が冷たくなって…」
「彼……じゃない。元彼です」
「え……?」
「振られたんです!
私…就職の内定も全部ダメで、彼に慰めてもらおうって彼の家に行ったら、なんと!私の友達と抱き合ってたんですよ!!最低ですよね!?
フフ……ほーんと、最悪です!最悪過ぎて、思わず笑っちゃいました!
…………倉澤さんの手が大きくて、温かくて……つい、彼を思い出しちゃって……
あ、でも!倉澤さんは、彼と全く、1ミリも違いますからね!倉澤さんはとっても素敵な人なのに、彼を重ねるなんて失礼だ!」
「………」
「倉澤さん?」
「……………それで、さっき泣いてたの?」
「え?あ、はい…」
亜伊は、自分の前髪をクシャッと掴み俯いた。
「え……倉澤さ━━━━━━」
亜伊の顔を覗き込んだ心花を、亜伊は力強く抱き締めていた。