社長の渇愛
妬みと失望
「あれー?心花?」
「え?光香……」
「何やってんの?買い物?」
「うん…
…………じゃあ、私急いでるから」
心花はその場を去ろうとする。
「光香!!
━━━━━━あ!み、心花!?」
「星乎くん…」
(なんで、会いたくない人に会うの……)
「久しぶりだな」
「うん…」
「元気?」
「うん」
「………」
「………」
沈黙が流れる。
「私、行くから!」
心花は、スーパーに来ていて夕食の買い物をしていた。
今会った光香と星乎は、友人と元彼だ。
そう━━━━━亜伊を出逢った日に、抱き合っていた二人だ。
心花は何も買うことなく出ていき、そのままマンションに向かった。
(亜伊に事情を説明して、今日は家にあるもので済ませよう)
そう思い、家路を急ぐのだった。
マンションに着き、ソファに座る。
大きくため息をつく。
涙が出てきた。
「あれ?なんで、涙なんか……
早く泣き止まないと……亜伊が帰ってくる。
ご飯……作らなきゃ」
そしてフラフラと立ち上がった。
調理をしようとするが、上手く出来ない。
私には亜伊がいる。
そう思うのに、あの時の失望が蘇る。
苦しくて、悲しくて、とにかく会いたくて星乎のアパートに向かった、心花。
合鍵で玄関のドアを開けると、見覚えのあるパンプス。
まさか……まさかね……と思いながら、ゆっくり中に入る。
ベッドのスプリングの音がする目の前の光景に、言葉を失う。
それから亜伊に声をかけられるまでのことは、覚えていない。
もう、会いたくなかった。
どっかでけじめはつけなければと思っていたが、今会っても酷い言葉しか思い浮かばない。
それに亜伊が傍にいてくれれば、それだけで何もいらない。
そう思うから━━━━━━
「ただいまー、心花~!」
(あ、帰ってきた!!)
心花は慌てて、服の袖で目元をゴシゴシ拭き玉ねぎを出した。
「心花!ただいま!ごめんね、一緒に帰れなくて。
買い物、大丈夫だった?荷物重かったよね……」
「あ、ごめんなさい!
買い物、行けなくて……
だから、オムライスはまた明日でいいですか?」
「…………やだ!今日食べたい」
「え?でも、卵がなくて……」
「違うよ」
「え………」
そう言って、心花を抱き上げた亜伊。
ベッドに下ろした。
「この涙のわけと、買い物に行けなかった理由。
……………教えて?
あ、言っておくけど、嘘は嫌いだから!」
心花を組み敷き、目元をなぞりながら言った。
「え?光香……」
「何やってんの?買い物?」
「うん…
…………じゃあ、私急いでるから」
心花はその場を去ろうとする。
「光香!!
━━━━━━あ!み、心花!?」
「星乎くん…」
(なんで、会いたくない人に会うの……)
「久しぶりだな」
「うん…」
「元気?」
「うん」
「………」
「………」
沈黙が流れる。
「私、行くから!」
心花は、スーパーに来ていて夕食の買い物をしていた。
今会った光香と星乎は、友人と元彼だ。
そう━━━━━亜伊を出逢った日に、抱き合っていた二人だ。
心花は何も買うことなく出ていき、そのままマンションに向かった。
(亜伊に事情を説明して、今日は家にあるもので済ませよう)
そう思い、家路を急ぐのだった。
マンションに着き、ソファに座る。
大きくため息をつく。
涙が出てきた。
「あれ?なんで、涙なんか……
早く泣き止まないと……亜伊が帰ってくる。
ご飯……作らなきゃ」
そしてフラフラと立ち上がった。
調理をしようとするが、上手く出来ない。
私には亜伊がいる。
そう思うのに、あの時の失望が蘇る。
苦しくて、悲しくて、とにかく会いたくて星乎のアパートに向かった、心花。
合鍵で玄関のドアを開けると、見覚えのあるパンプス。
まさか……まさかね……と思いながら、ゆっくり中に入る。
ベッドのスプリングの音がする目の前の光景に、言葉を失う。
それから亜伊に声をかけられるまでのことは、覚えていない。
もう、会いたくなかった。
どっかでけじめはつけなければと思っていたが、今会っても酷い言葉しか思い浮かばない。
それに亜伊が傍にいてくれれば、それだけで何もいらない。
そう思うから━━━━━━
「ただいまー、心花~!」
(あ、帰ってきた!!)
心花は慌てて、服の袖で目元をゴシゴシ拭き玉ねぎを出した。
「心花!ただいま!ごめんね、一緒に帰れなくて。
買い物、大丈夫だった?荷物重かったよね……」
「あ、ごめんなさい!
買い物、行けなくて……
だから、オムライスはまた明日でいいですか?」
「…………やだ!今日食べたい」
「え?でも、卵がなくて……」
「違うよ」
「え………」
そう言って、心花を抱き上げた亜伊。
ベッドに下ろした。
「この涙のわけと、買い物に行けなかった理由。
……………教えて?
あ、言っておくけど、嘘は嫌いだから!」
心花を組み敷き、目元をなぞりながら言った。