社長の渇愛
入社と戸惑い
「相変わらず、大きな建物だよなぁー」
倉澤ガードの本社を前に、首が痛くなる程見上げる心花。
【おはよう、心花。
会社前で待ってて!迎えに行くから】
今朝早くの亜伊からのメッセージでここにいる。
しばらく会社を見つめていると、高級車が走ってきてゆっくり停車した。
「え?」
運転席のドアから、御笠が出てきた。
「真田さんですか?」
「え?あ、はい!」
「僕は、社長秘書の御笠です」
「あ、初めまして!真田 心花で━━━━━」
「心花!!」
後部座席のドアがバッとあいて、中から亜伊が出てきた。
あっという間に心花は、亜伊に抱き締められた。
「亜伊さ━━━━」
「“さん”はいらねぇっつったよな?」
顔を覗き込まれ、突っ込まれる。
「でも、お仕事中は……」
「公私混同、大歓迎!」
「は、はい?」
「俺の会社、公私混同してる奴多いよ?
あ、勘違いしないでね!社内恋愛のこと!
社内で夫婦同士ってやつも多いし!」
「そうなんですか?」
「要は、仕事をきちんとすれば問題ない。
社員のモチベーションを下げることをしない。
これが、俺のポリシー」
「なんか……」
「ん?」
「カッコいい…/////」
「ん?」
思わず呟く心花の口元に、腰を折り耳を寄せた亜伊。
「カッコいいです…
あ…亜伊……カッコいい…////」
「……っ…」
亜伊は目を見開き、心花に向き直る。
「心花って、それ…計算?
…………あ、いや、そんな感じじゃないな…
そんな計算できる女とも思えねぇし…」
「あの、亜伊…?」
「ううん。
行こうか?」
「あ、はい!よろしくお願いします!」
「如月です。しばらくは私が指導するから」
「あ、はい!真田 心花です!よろしくお願いします」
「じゃあ、如月さんお願いします」
御笠が如月に言うと、如月が頷いた。
「心花、またね!頑張って!」
「あ、はい!ありがとうございます!
精一杯、頑張ります!」
亜伊を見上げ、微笑む心花だった。
「━━━━━御笠、なんか飲み物くれ」
社長室に着き、デスクチェアに座るなり言った亜伊。
「はい。コーヒーでいいですか?」
「いや、水がいい」
「水ですか?」
「うん。喉が渇いてしかたがない」
「社長?」
「心花といると、ペースが乱される。
俺の周りにいないタイプだからかな?
わからなくなる。
どうしたらいいか……」
御笠が初めて見る、亜伊の姿だった。
倉澤ガードの本社を前に、首が痛くなる程見上げる心花。
【おはよう、心花。
会社前で待ってて!迎えに行くから】
今朝早くの亜伊からのメッセージでここにいる。
しばらく会社を見つめていると、高級車が走ってきてゆっくり停車した。
「え?」
運転席のドアから、御笠が出てきた。
「真田さんですか?」
「え?あ、はい!」
「僕は、社長秘書の御笠です」
「あ、初めまして!真田 心花で━━━━━」
「心花!!」
後部座席のドアがバッとあいて、中から亜伊が出てきた。
あっという間に心花は、亜伊に抱き締められた。
「亜伊さ━━━━」
「“さん”はいらねぇっつったよな?」
顔を覗き込まれ、突っ込まれる。
「でも、お仕事中は……」
「公私混同、大歓迎!」
「は、はい?」
「俺の会社、公私混同してる奴多いよ?
あ、勘違いしないでね!社内恋愛のこと!
社内で夫婦同士ってやつも多いし!」
「そうなんですか?」
「要は、仕事をきちんとすれば問題ない。
社員のモチベーションを下げることをしない。
これが、俺のポリシー」
「なんか……」
「ん?」
「カッコいい…/////」
「ん?」
思わず呟く心花の口元に、腰を折り耳を寄せた亜伊。
「カッコいいです…
あ…亜伊……カッコいい…////」
「……っ…」
亜伊は目を見開き、心花に向き直る。
「心花って、それ…計算?
…………あ、いや、そんな感じじゃないな…
そんな計算できる女とも思えねぇし…」
「あの、亜伊…?」
「ううん。
行こうか?」
「あ、はい!よろしくお願いします!」
「如月です。しばらくは私が指導するから」
「あ、はい!真田 心花です!よろしくお願いします」
「じゃあ、如月さんお願いします」
御笠が如月に言うと、如月が頷いた。
「心花、またね!頑張って!」
「あ、はい!ありがとうございます!
精一杯、頑張ります!」
亜伊を見上げ、微笑む心花だった。
「━━━━━御笠、なんか飲み物くれ」
社長室に着き、デスクチェアに座るなり言った亜伊。
「はい。コーヒーでいいですか?」
「いや、水がいい」
「水ですか?」
「うん。喉が渇いてしかたがない」
「社長?」
「心花といると、ペースが乱される。
俺の周りにいないタイプだからかな?
わからなくなる。
どうしたらいいか……」
御笠が初めて見る、亜伊の姿だった。