社長の渇愛
「俺に心花が“相応しくない”なんて、二度と言うなよ」
「も、申し訳ありません!
しかし、そんなつもりで言ったのではなく━━━」
「心花の為に、俺が手を退いてやれっつってんだろ?」
「…………はい」
「まぁな。
心花は、俺を支えられないだろうな」
「普通の真田さんには、無理です。
貴方は、普通じゃないから………!」
「俺は、心花に支えてもらおうなんて思ってない。
むしろ逆だ」
「え?」
「全てが欲しい。
俺の支えなしでは生きれないようにしたい」
「依存させたいってことですか?」
「まぁ、そんなとこ!」
社長室を出て、受付に向かう。
心花が必死に如月の指導を受けていた。
「この女に、どんな魅力があるんだ?」
“倉澤 亜伊”の心を惹き付ける要素が見当たらない。
可愛い顔はしている。
しかし、心花より可愛い女や美人な女はいくらでもいる。
真面目で、お人好し。
人と争うことなど殆どなさそうだ。
亜伊と心花では、天と地の差がある。
頭脳、容姿、身分、地位……全てにおいて。
不意に心花と目が合った。
小さく頭を下げ、微笑んだ心花。
そして少し目を見開いた。
如月に断りを入れ、トコトコと小走りで駆けてくる。
「真田さん?」
「御笠さん、襟が……!」
背伸びをし、襟を直してくれた。
先程、亜伊に押し倒された時に襟が崩れたのだろう。
サッと直して、心花は「よし!完璧!」と言うと、また頭を下げ、トコトコと来た時と同じように如月の元へ戻っていった。
御笠は、放心状態だ。
「なんなんだ……」
“心花といると、ペースが乱される。
俺の周りにいないタイプだからかな?
わからなくなる。
どうしたらいいか……”
「この女、確かにヤバい……」
御笠は呟き、その場を後にしたのだった。
それから、勤務が終わり━━━━━━
「お疲れ様、真田さん」
「如月さん、ありがとうございました!
お疲れ様でした!また明日、よろしくお願いします!」
頭を下げ言った、心花。
「真田さんって……」
「はい」
「社長の彼女なの?」
「え!?あ、いや、その、あの、まだ…いや、亜伊はその気なのかな?あ、でも、私は…まだ心の準備が…」
しどろもどろになる、心花。
「…………何を言ってるかわかんないんだけど(笑)」
「あ、ですよね…」
「社長のこと“亜伊”って呼んでるの?」
「あ、はい…馴れ馴れしいんですが、そう呼べって……」
「………社長、本気なんだ……」
「も、申し訳ありません!
しかし、そんなつもりで言ったのではなく━━━」
「心花の為に、俺が手を退いてやれっつってんだろ?」
「…………はい」
「まぁな。
心花は、俺を支えられないだろうな」
「普通の真田さんには、無理です。
貴方は、普通じゃないから………!」
「俺は、心花に支えてもらおうなんて思ってない。
むしろ逆だ」
「え?」
「全てが欲しい。
俺の支えなしでは生きれないようにしたい」
「依存させたいってことですか?」
「まぁ、そんなとこ!」
社長室を出て、受付に向かう。
心花が必死に如月の指導を受けていた。
「この女に、どんな魅力があるんだ?」
“倉澤 亜伊”の心を惹き付ける要素が見当たらない。
可愛い顔はしている。
しかし、心花より可愛い女や美人な女はいくらでもいる。
真面目で、お人好し。
人と争うことなど殆どなさそうだ。
亜伊と心花では、天と地の差がある。
頭脳、容姿、身分、地位……全てにおいて。
不意に心花と目が合った。
小さく頭を下げ、微笑んだ心花。
そして少し目を見開いた。
如月に断りを入れ、トコトコと小走りで駆けてくる。
「真田さん?」
「御笠さん、襟が……!」
背伸びをし、襟を直してくれた。
先程、亜伊に押し倒された時に襟が崩れたのだろう。
サッと直して、心花は「よし!完璧!」と言うと、また頭を下げ、トコトコと来た時と同じように如月の元へ戻っていった。
御笠は、放心状態だ。
「なんなんだ……」
“心花といると、ペースが乱される。
俺の周りにいないタイプだからかな?
わからなくなる。
どうしたらいいか……”
「この女、確かにヤバい……」
御笠は呟き、その場を後にしたのだった。
それから、勤務が終わり━━━━━━
「お疲れ様、真田さん」
「如月さん、ありがとうございました!
お疲れ様でした!また明日、よろしくお願いします!」
頭を下げ言った、心花。
「真田さんって……」
「はい」
「社長の彼女なの?」
「え!?あ、いや、その、あの、まだ…いや、亜伊はその気なのかな?あ、でも、私は…まだ心の準備が…」
しどろもどろになる、心花。
「…………何を言ってるかわかんないんだけど(笑)」
「あ、ですよね…」
「社長のこと“亜伊”って呼んでるの?」
「あ、はい…馴れ馴れしいんですが、そう呼べって……」
「………社長、本気なんだ……」