【短編】今宵、君の腕の中
フッと微かに笑みを見せたと思ったら、荒々しく唇が重ねられて。
それは段々と深くなっていく。
隼が私に、触れてる……?
予期しないうちに、望んでいたことが起こって。
私は突然のことにも関わらず、すんなりと隼を受け入れていた。
「……抵抗しないけど、言う気になった?」
暫くして唇が離されて、至近距離で優しく微笑んで問う隼に、頬がカーッと熱くなるのを感じた。
たぶん、私の顔、赤くなってる。
でも……、
「……言わない。」
腕を伸ばし隼の首に絡めて、耳許でそう答えた。
だって、答えなかったら……
隼は私に触れてくれるんでしょ?
「は……?」