お昼寝御曹司とふたりだけの秘密
食パンをトースターに入れて、冷蔵庫から取り出した卵は油をひいたフライパンに割り入れる。
しばらくして焼きあがったふたり分の食パンと目玉焼きのお皿にミニトマトを二個ずつ置いた。
「えっと、胡椒は……」
どこだろう、とまだ使い慣れていないキッチン台の上を探していると、後ろからすっと腕が伸びてきた。
「ここだよ」
顔を向けると涼本さんがそばに立っていて、距離の近さにドキッとする。
「君もコーヒー飲む? インスタントだけど」
「は、はい。ありがとうございます」
涼本さんはなんともない様子でマグカップを棚から取り出し、コーヒーを入れてくれた。
一週間住まわせてもらうことになって、こんなふうに彼と一緒にいることが信じられないと感じながら、胸が高鳴ってしまう。
平静でいようと思うのに全然ダメで、そんな自分を涼本さんに知られたら恥ずかしい。
どうか、気づかれませんように。
テーブルに朝食を運びながらそんなことを思っていた。
ふたりで朝食を取り始めると、涼本さんはわたしが作った目玉焼きを美味しいと言ってくれた。
「目玉焼きは簡単ですよ」
「以前、俺も作ってみようと思ったことがあったけど、焦がしたよ」
「えっ、火が強かったんじゃないですか?」
「そうかもしれない。料理は得意ではないし、火加減なんてわからないからな」
涼本さんも不得意なことがあるんだ。
わたしが笑っていたら、彼も笑っていた。その優しい雰囲気に心が温かくなって、頬が緩まないように我慢しながらパンをかじった。
しばらくして焼きあがったふたり分の食パンと目玉焼きのお皿にミニトマトを二個ずつ置いた。
「えっと、胡椒は……」
どこだろう、とまだ使い慣れていないキッチン台の上を探していると、後ろからすっと腕が伸びてきた。
「ここだよ」
顔を向けると涼本さんがそばに立っていて、距離の近さにドキッとする。
「君もコーヒー飲む? インスタントだけど」
「は、はい。ありがとうございます」
涼本さんはなんともない様子でマグカップを棚から取り出し、コーヒーを入れてくれた。
一週間住まわせてもらうことになって、こんなふうに彼と一緒にいることが信じられないと感じながら、胸が高鳴ってしまう。
平静でいようと思うのに全然ダメで、そんな自分を涼本さんに知られたら恥ずかしい。
どうか、気づかれませんように。
テーブルに朝食を運びながらそんなことを思っていた。
ふたりで朝食を取り始めると、涼本さんはわたしが作った目玉焼きを美味しいと言ってくれた。
「目玉焼きは簡単ですよ」
「以前、俺も作ってみようと思ったことがあったけど、焦がしたよ」
「えっ、火が強かったんじゃないですか?」
「そうかもしれない。料理は得意ではないし、火加減なんてわからないからな」
涼本さんも不得意なことがあるんだ。
わたしが笑っていたら、彼も笑っていた。その優しい雰囲気に心が温かくなって、頬が緩まないように我慢しながらパンをかじった。