お昼寝御曹司とふたりだけの秘密
気になっていた涼本さんと一緒に住むことになるなんて、夢にも思わなかった。
「今までなにも接点がなかった人に、いきなり近づくことができるなんて、これはもう突っ走るしかないでしょう! 好きです、って香菜の気持ちを言ってみるべき」
「い、いや、それは絶対に無理だよ」
周りに知られたくないと涼本さんが話していたこともあり、彼の事情を他の人に言うのは避けた方がいいと思った。なので、紗子には『涼本さんに食事に誘われて、困っていたわたしを部屋に住まわせてくれている』と本当にざっくりとしか説明できていない。
涼本さんは、わたしといると健康的な生活ができると思っているだけなの。
好きです、なんて玉砕するとわかっているのに伝える勇気はない……と、心の中の自分は冷静だった。
「でもさ、全然興味のない人を食事に誘ったり、一緒に住まわせてくれたりするかな? 香菜からしたら少し期待しちゃうことだよね」
紗子の言葉に、平静を保つようにしながら考える。
だって本当は考えなくても、わかっている。涼本さんが興味を持ったのは、わたしの香水だから。
なにも言わないままでいたら、紗子がはっとしたような表情をする。
「もしかして香菜、涼本さんに遊ばれているんじゃないの? あんな涼しそうな顔して、たくさん彼女がいて……」
「絶対違うから! 涼本さんはそんな人じゃないよ!」
紗子が妙なことを言うものだから、ムキになって否定してしまった。
「今までなにも接点がなかった人に、いきなり近づくことができるなんて、これはもう突っ走るしかないでしょう! 好きです、って香菜の気持ちを言ってみるべき」
「い、いや、それは絶対に無理だよ」
周りに知られたくないと涼本さんが話していたこともあり、彼の事情を他の人に言うのは避けた方がいいと思った。なので、紗子には『涼本さんに食事に誘われて、困っていたわたしを部屋に住まわせてくれている』と本当にざっくりとしか説明できていない。
涼本さんは、わたしといると健康的な生活ができると思っているだけなの。
好きです、なんて玉砕するとわかっているのに伝える勇気はない……と、心の中の自分は冷静だった。
「でもさ、全然興味のない人を食事に誘ったり、一緒に住まわせてくれたりするかな? 香菜からしたら少し期待しちゃうことだよね」
紗子の言葉に、平静を保つようにしながら考える。
だって本当は考えなくても、わかっている。涼本さんが興味を持ったのは、わたしの香水だから。
なにも言わないままでいたら、紗子がはっとしたような表情をする。
「もしかして香菜、涼本さんに遊ばれているんじゃないの? あんな涼しそうな顔して、たくさん彼女がいて……」
「絶対違うから! 涼本さんはそんな人じゃないよ!」
紗子が妙なことを言うものだから、ムキになって否定してしまった。