お昼寝御曹司とふたりだけの秘密
付き合っている人はいないって、涼本さんは言っていた。それにわたしなんかを騙したって、なにも楽しいことはないでしょう。
本当に大丈夫なの?と、心配する紗子にわたしは首を何度も縦に動かした。
「そっか……。とりあえず、今週いっぱいは涼本さんの部屋にお世話になるんだよね。それ以降はどうするの? 引っ越すなら今の部屋の契約のこととか進んでる?」
「進んでない……。最悪は実家に戻ろうかなと」
「うち来る? わたしの家なら会社も近いよ」
「いやいや、大丈夫! 紗子と恋人の時間を邪魔したくないもん」
「えっ、そんなに毎日彼が来ているわけじゃないのに!」
遠慮するわたしに、気にしないでと紗子は言ってくれた。けれど、よく彼氏が泊まりに来るのだと以前話していた彼女の家には、やはりお世話になるのは申し訳ないと感じて断った。
涼本さんの家にいられるのは、あと数日。
毎日ドキドキして、涼本さんの家の鍵を持っているときめきを思い出すと、なんとなく寂しさを感じた。
でも、それはとても図々しいことだと自分に言い聞かせて、紗子と一緒に食堂の席を立った。
金曜日の夜。定時で帰ることができたので、スーパーで夜ご飯の食材を買って帰宅した。
夜の食事を抜くことがあったと話していた涼本さんは、夜遅い帰宅になったときはサラダだけという日もあったけれど、昨日はレトルトのカレーをわたしのぶんも買ってきてくれて、一緒に食べた。
本当に大丈夫なの?と、心配する紗子にわたしは首を何度も縦に動かした。
「そっか……。とりあえず、今週いっぱいは涼本さんの部屋にお世話になるんだよね。それ以降はどうするの? 引っ越すなら今の部屋の契約のこととか進んでる?」
「進んでない……。最悪は実家に戻ろうかなと」
「うち来る? わたしの家なら会社も近いよ」
「いやいや、大丈夫! 紗子と恋人の時間を邪魔したくないもん」
「えっ、そんなに毎日彼が来ているわけじゃないのに!」
遠慮するわたしに、気にしないでと紗子は言ってくれた。けれど、よく彼氏が泊まりに来るのだと以前話していた彼女の家には、やはりお世話になるのは申し訳ないと感じて断った。
涼本さんの家にいられるのは、あと数日。
毎日ドキドキして、涼本さんの家の鍵を持っているときめきを思い出すと、なんとなく寂しさを感じた。
でも、それはとても図々しいことだと自分に言い聞かせて、紗子と一緒に食堂の席を立った。
金曜日の夜。定時で帰ることができたので、スーパーで夜ご飯の食材を買って帰宅した。
夜の食事を抜くことがあったと話していた涼本さんは、夜遅い帰宅になったときはサラダだけという日もあったけれど、昨日はレトルトのカレーをわたしのぶんも買ってきてくれて、一緒に食べた。