お昼寝御曹司とふたりだけの秘密
「そういえば、アパートの件はどうなってる? 来週から住む場所も決まっているのか?」
「あ、はい、大丈夫です!」
「……本当に?」
疑うように聞いてきた涼本さんに、わたしは急いでうなずく。
本当は全然大丈夫じゃない。
だけど、これ以上涼本さんに気を遣わせたりしたくないから。
嘘だってバレないように平静を保ちながらお味噌汁を飲んでいるわたしを、涼本さんがじっと見つめてきたので、途中で耐えられなくなり、視線を逸らした。
気まずさを感じながらも、そのまま食べ進めるしかなかった。
夕食を食べ終えた後は、涼本さんと一緒に後片付けをして、リビングでお茶を飲みながらのんびりと過ごしていた。
お風呂はわたしが先に入ることになって、ドライヤーを使い終わり、リビングに戻ってしばらくすると読書を中断した涼本さんがソファから立ち上がる。
「風呂入ってくる」
「湯船にも浸かると、疲れがとれると思いますよ」
「わかった」
小さく笑った彼がリビングから出て行くと、わたしはそっと視線を落とした。
本当になにげない会話だけれど、わたしにはもったいないくらいの特別なことだと思う。だから……欲張ってはいけない。
そんなことを考えてしばらくぼうっとした後、ダイニングテーブルに置いていたスマホを手に取ってからソファに向かう。
画面を確認すると、メッセージを受信していることに気づいた。
メッセージは紗子からで、『結局引っ越すの? なにかあったら言ってね』と、わたしを心配する内容だった。
「あ、はい、大丈夫です!」
「……本当に?」
疑うように聞いてきた涼本さんに、わたしは急いでうなずく。
本当は全然大丈夫じゃない。
だけど、これ以上涼本さんに気を遣わせたりしたくないから。
嘘だってバレないように平静を保ちながらお味噌汁を飲んでいるわたしを、涼本さんがじっと見つめてきたので、途中で耐えられなくなり、視線を逸らした。
気まずさを感じながらも、そのまま食べ進めるしかなかった。
夕食を食べ終えた後は、涼本さんと一緒に後片付けをして、リビングでお茶を飲みながらのんびりと過ごしていた。
お風呂はわたしが先に入ることになって、ドライヤーを使い終わり、リビングに戻ってしばらくすると読書を中断した涼本さんがソファから立ち上がる。
「風呂入ってくる」
「湯船にも浸かると、疲れがとれると思いますよ」
「わかった」
小さく笑った彼がリビングから出て行くと、わたしはそっと視線を落とした。
本当になにげない会話だけれど、わたしにはもったいないくらいの特別なことだと思う。だから……欲張ってはいけない。
そんなことを考えてしばらくぼうっとした後、ダイニングテーブルに置いていたスマホを手に取ってからソファに向かう。
画面を確認すると、メッセージを受信していることに気づいた。
メッセージは紗子からで、『結局引っ越すの? なにかあったら言ってね』と、わたしを心配する内容だった。