お昼寝御曹司とふたりだけの秘密
5 君の恋人
はじめは一方的に見ているだけの、名前を知っているだけだった涼本さん。
そんな彼とお付き合いをすることになるなんて、自分でも一番驚いていた。しかも幼い頃に出会っていたということも知って、想いが通じてから数日は夢心地だったように思う。
涼本さんの話を信じていなかったわけではないけど、自分でも確認してみようと母に『聞きたいことがあるんだけど……』と電話してみたところ、母も〝迷子の男の子〟のことを覚えていた。
その男の子、涼本さんと会社で再会したと話すと驚いていたけど、その彼と付き合っているということは気恥ずかしさもあって言わないでおいた。
正直、わたしはまだ涼本さんが恋人なんて信じられない気分なのだ。
最初からずっと意識している存在だけど、恋人になったらそれはもっと高まって、毎日ドキドキが止まらない。
それは数週間経ってもそう。
付き合うって、どうすればいいんだっけ?
どんなふうに話しかければいい? 距離感は? わたしから近づいたら引かれてしまうだろうか。
そんなことを考えてしまうくらいには、余裕がない状態。
「もう俺の車で会社まで行ってもいいんじゃないか?」
朝、出勤するために車で駅まで送ってもらい、降りようとしたとき涼本さんがそう言った。
そんな彼とお付き合いをすることになるなんて、自分でも一番驚いていた。しかも幼い頃に出会っていたということも知って、想いが通じてから数日は夢心地だったように思う。
涼本さんの話を信じていなかったわけではないけど、自分でも確認してみようと母に『聞きたいことがあるんだけど……』と電話してみたところ、母も〝迷子の男の子〟のことを覚えていた。
その男の子、涼本さんと会社で再会したと話すと驚いていたけど、その彼と付き合っているということは気恥ずかしさもあって言わないでおいた。
正直、わたしはまだ涼本さんが恋人なんて信じられない気分なのだ。
最初からずっと意識している存在だけど、恋人になったらそれはもっと高まって、毎日ドキドキが止まらない。
それは数週間経ってもそう。
付き合うって、どうすればいいんだっけ?
どんなふうに話しかければいい? 距離感は? わたしから近づいたら引かれてしまうだろうか。
そんなことを考えてしまうくらいには、余裕がない状態。
「もう俺の車で会社まで行ってもいいんじゃないか?」
朝、出勤するために車で駅まで送ってもらい、降りようとしたとき涼本さんがそう言った。