お昼寝御曹司とふたりだけの秘密
彼の部屋に住まわせてもらってから、通勤はずっと最寄り駅から電車で通っている。
恋人同士になったのだから、別に一緒に出社してもいいのでは?
そう思って涼本さんは言ってくれたのだろうけど、わたしは首を横に振った。
「会社まではこのまま電車で……なんとなく、その方が仕事に行くっていうスイッチが入りやすいというか……すみません、駅にわざわざ寄ってもらう手間を取らせてしまって。わたしは駅まで徒歩でも構わないので」
「いや、君がそう言うのならこのままでいいよ」
微笑んだ涼本さんにわたしも笑みを返し、「それじゃあ」と車のドアを閉めた。
彼の車が去るのを見届けた後、歩き出して小さく息をつく。
プライベートと仕事の切り替えとして別々の出勤をするっていうのもはもちろんあるけど、もし誰かに彼と一緒にいるところを見られたらっていうのも理由のひとつ。
彼との関係を秘密にしておきたいというわけじゃない。
社内恋愛は禁止ではないし、なにかやましいことがあるわけでもない。
でも誰かに見られたら、わたしみたいな平凡な人間が彼の恋人だなんて、どう思われるのかなって気にしてしまう。
ああ、こういうこと考えるのって本当によくない!
朝からブルーになってしまったことを反省しながら、わたしは気持ちを切り替えて駅の構内へと入っていった。
恋人同士になったのだから、別に一緒に出社してもいいのでは?
そう思って涼本さんは言ってくれたのだろうけど、わたしは首を横に振った。
「会社まではこのまま電車で……なんとなく、その方が仕事に行くっていうスイッチが入りやすいというか……すみません、駅にわざわざ寄ってもらう手間を取らせてしまって。わたしは駅まで徒歩でも構わないので」
「いや、君がそう言うのならこのままでいいよ」
微笑んだ涼本さんにわたしも笑みを返し、「それじゃあ」と車のドアを閉めた。
彼の車が去るのを見届けた後、歩き出して小さく息をつく。
プライベートと仕事の切り替えとして別々の出勤をするっていうのもはもちろんあるけど、もし誰かに彼と一緒にいるところを見られたらっていうのも理由のひとつ。
彼との関係を秘密にしておきたいというわけじゃない。
社内恋愛は禁止ではないし、なにかやましいことがあるわけでもない。
でも誰かに見られたら、わたしみたいな平凡な人間が彼の恋人だなんて、どう思われるのかなって気にしてしまう。
ああ、こういうこと考えるのって本当によくない!
朝からブルーになってしまったことを反省しながら、わたしは気持ちを切り替えて駅の構内へと入っていった。