お昼寝御曹司とふたりだけの秘密
2 ハプニング
涼本さんのことがますます気になって、ずっと落ち着かない。
商品企画部の資料を片付けに行ってから一週間、ふとしたときに彼のことを考えている。
「香菜、涼本さんのことが好きなんだね」
お昼休み、同期の田本紗子《たもと さこ》と会社の食堂で昼食をとっていたわたしは、口に運ぼうとしていたご飯をポトリと茶碗に落として、彼女の言葉に目をぱちぱちとしていた。
紗子は中学の同級生で、高校と大学は違ったけれど就職先が一緒になり、会社で一番親しくしている友人。
彼女は営業部の事務をしていて、セミロングの黒髪の美人で明るい女性だ。
タイミングが合ったらこうして一緒にお昼を食べたりするし、ふたりで仕事終わりにお酒を飲みに行ったりもする。
彼氏のいる紗子はわたしと違って休日忙しいだろうから、話したいことがあるときはなるべくお昼休みか仕事終わりにと思っていて、今日は最近気になって仕方ない涼本さんの話をした。
秘密と言われた会議室での出来事は言わず、彼のことを考えているときや、姿を見たときにドキドキすると言ったのだけど……。
「す、好き……?」
わたしは自分の気持ちにぽかん、としてしまう。
今までも恋愛はしたことがあるけれど、涼本さんへの気持ちは自覚していなかった。
気になる、ドキドキする、ということでいっぱいで、紗子に言われて改めて考えたら、わたしは涼本さんのことが好きみたい。
そう思ったら、急にのぼせたように顔が熱くなってきて、向いに座っている紗子がそれを見て「えっ?」という顔をする。
「自分で気づいていなかったの?」
「う、うん。なんか涼本さんのこと気になりすぎて〝好き〟まで考えてなかったというか」
「それ、もう夢中だね」
商品企画部の資料を片付けに行ってから一週間、ふとしたときに彼のことを考えている。
「香菜、涼本さんのことが好きなんだね」
お昼休み、同期の田本紗子《たもと さこ》と会社の食堂で昼食をとっていたわたしは、口に運ぼうとしていたご飯をポトリと茶碗に落として、彼女の言葉に目をぱちぱちとしていた。
紗子は中学の同級生で、高校と大学は違ったけれど就職先が一緒になり、会社で一番親しくしている友人。
彼女は営業部の事務をしていて、セミロングの黒髪の美人で明るい女性だ。
タイミングが合ったらこうして一緒にお昼を食べたりするし、ふたりで仕事終わりにお酒を飲みに行ったりもする。
彼氏のいる紗子はわたしと違って休日忙しいだろうから、話したいことがあるときはなるべくお昼休みか仕事終わりにと思っていて、今日は最近気になって仕方ない涼本さんの話をした。
秘密と言われた会議室での出来事は言わず、彼のことを考えているときや、姿を見たときにドキドキすると言ったのだけど……。
「す、好き……?」
わたしは自分の気持ちにぽかん、としてしまう。
今までも恋愛はしたことがあるけれど、涼本さんへの気持ちは自覚していなかった。
気になる、ドキドキする、ということでいっぱいで、紗子に言われて改めて考えたら、わたしは涼本さんのことが好きみたい。
そう思ったら、急にのぼせたように顔が熱くなってきて、向いに座っている紗子がそれを見て「えっ?」という顔をする。
「自分で気づいていなかったの?」
「う、うん。なんか涼本さんのこと気になりすぎて〝好き〟まで考えてなかったというか」
「それ、もう夢中だね」