仕方なく結婚したはずなのに貴方を愛してしまったので離婚しようと思います。
「ちょっと遠くないかな?」
足を組んで自分の膝の上に頬杖をついた玲司は穂乃果をじぃっと見つめてくる。横から刺さる視線が痛いくらいに感じた。
「……遠くはないですよ」
ゴクリとまた穂乃果は一口紅茶を飲む。
「そっか。じゃあ僕が穂乃果に近づけばいいだけだもんね」
ぎしっとベットを鳴らし玲司は三十センチの隙間をすぐになくしてしまった。少し動けば肩が当たる。それくらい近い距離。いつも一緒に抱き締めながら眠っているはずなのになぜかひどく緊張する。隣り合っている肩側が燃えそうな程、熱を持っていた。