仕方なく結婚したはずなのに貴方を愛してしまったので離婚しようと思います。


「穂乃果」
「れぇじさん……あぁっ……れいじさんっ……」


 目の前で自分を抱いているのが玲司だと分かっているのに何度も名前を呼んで確かめたくなる。


「穂乃果……好きだよ。穂乃果っ……」
「はぁっ……あぁ……私も……すき、玲司さんがっ……すきっ……」


 玲司は上半身を折り曲げ穂乃果の唇に自分の唇を重ねた。腰を打ち付けられるたびに少しずれる唇を紡ぎ直しながら濃厚なキスを繰り返す。玲司の背中に抱きつき少しでも一体感をもっと感じたくて両足を玲司の腰に巻き付けた。


「はっ……それは、はんそく……だな……んっ」


 揺さぶられながら目を開け玲司を見上げると、ゆらゆらと定まららず気持ちよさと嬉しさでじわじわとこみ上げてくる涙でぼやけた視界の先に玲司の蕩けた表情が見えた。きゅんと胸が締め付けられ嬉しさが身体から爆発するように勢い良く溢れ出す。
 好きという気持ちを沢山伝えたくて、もっと玲司の表情が近くで見たくて穂乃は玲司の首筋につかまった。

< 161 / 170 >

この作品をシェア

pagetop