仕方なく結婚したはずなのに貴方を愛してしまったので離婚しようと思います。


 緑色の吹き具をじゃぶじゃぶとようしゃなくシャボン液につける紬を制しながら玲司と桃果の三人でシャボン玉大会が始まった。キラキラ舞い上がるシャボン玉があまりにも綺麗で見惚れてしまう。すぐに割れてなくなってしまうけれど紬と桃果が次から次へと吹いているので庭中シャボン玉だらけだ。玲司はワイシャツの袖をまくりながらベタベタに液を垂らす紬の完全サポート役に回っている。


「わっ! 見て! 凄い大きいのできた!」
「ももちゃんすごーい!」


 ひときは大きいシャボン玉に興奮する二人。本当の姉妹のように仲がよくいつも桃果が紬の面倒をよく見てくれている。


「しゃぼだまやーめた! かくれんぼやるー! いないないする!」


 二歳児の飽きは最強に早い。次はかくれんぼがしたいらしい。


「かくれんぼやるならまずはこのベタベタな手を洗おうか」
「あらうーっ!」


 三人が手を洗いに行っている間に穂乃果はシャボン玉の道具を片した。本当出しては片して、出しては片しての毎日繰り返しでたまに疲れ果てて出しっぱなしのときもある。おそるべし二歳児の体力だ。それでも疲れはするのだろう、コトンと急に寝落ちたりして可愛い。穂乃果と桃果は横ですやすや眠る紬の寝顔を堪能しながらお茶をのんだりすることがよくある光景だ。

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