仕方なく結婚したはずなのに貴方を愛してしまったので離婚しようと思います。
7
「穂乃果、ちょっといい?」
ぐるんと首を回し玲司はお風呂をでて二階に上がろうとする穂乃果を呼び止めた。
「なんですか?」
「ちょっとこっちに来て」
呼ばれて仕方なく玲司の前に立つ穂乃果。いったいなんだっていうんだろう。
「ん、座って。一緒にテレビでも見ようよ」
ポンポンと玲司は自分の隣を軽く叩き、誘ってくる。けれど穂乃果はあまりテレビに興味がない。「いえ、遠慮します」と冷たく言い放ち去ろうとした瞬間パシンっと腕を掴まれた。
「隣に座るのと、僕の膝の上に座るのどっちがいい?」
……は?
嬉しそうに二択の選択肢をだしてきたが出された穂乃果は至って真顔だ。どっちにも座るはず無い。玲司の膝の上なんて絶対に嫌だ。
「どっちにも座りませんよ」
「でもまだ寝るわけじゃないんだろう?」
「まぁ、そうですけど」
「じゃあ一緒にテレビを見よう。君に拒否権は?」
穂乃果はその言葉を聞いてはぁ〜とため息を着いた。
「……ない」
「はい、大正解。どっちに座る?」
満足げな玲司、穂乃果は仕方なく玲司の隣に人一人分間を開けて座った。初めて座る貴族のソファーは凄く柔らかくて座りこごちが良い。