仕方なく結婚したはずなのに貴方を愛してしまったので離婚しようと思います。
「すごくよかったよ。僕も気持ちよかった」
コツンと額を合わせられ褒められる。それが嬉しいと思ってしまったのは多分脳に酸素が行き渡ってないからに違いない。
恥ずかしくてふいっと顔を横に逸らしシーツを眺める。まっさらなこのシーツでこれから玲司と一緒に眠り、身体を重ねて、いつかは子供を身ごもったりするんだろうか。
「穂乃果」
「っ……!」
ビリっと痺れる低音ボイスを耳に注ぎ込まれた。
「また、なにか考えていただろう。余裕だね」
「よゆ、う、ではありません」
確かに考え事はしていたが決して余裕なんかではない。今もまだ心臓はドクドクしているし、やっと上手に酸素を吸って呼吸が落ち着いてきたところだ。余裕は決して、ない。
「じゃあもっと余裕をなくそうか」
「あの、ひゃあっ……ぁぁ」
くちゅっとダイレクトに淫靡な音が耳の中をいっぱいにする。こんな、耳をなめられるなんて……嫌なのにビクビク身体は反応してしまい背筋のゾクゾクが止まらない。
「君は耳も感じるんだね。可愛い」
「かあ、可愛くなんて、ンぁっ!」
耳たぶをムニムニと指で揉まれながら甘噛される。
「穂乃果、自分を卑屈するのはだめだ。そしたら穂乃果を気に入っている僕まで否定されることになる。お仕置きだよ」
「……お、おしおき? んッ――」