仕方なく結婚したはずなのに貴方を愛してしまったので離婚しようと思います。


「服、邪魔」


 まだまだ余裕のある玲司は穂乃果の胸元に顔を擦り付け服を噛んだ。胸元から見上げられる玲司の瞳が怖いくらいに鋭くて、情熱的で、官能的。
 薄手のトレーナーを捲り上げられ白の下着に包まれた胸が露わになった。腕が縛り上げられていて隠すことができず穂乃果の丸みを帯びた身体のラインをなぞるように見られ恥ずかしさで顔が赤くなっていくのが自分でも分かるくらい、熱い。玲司の熱い視線に熱されて身体が、血液が沸騰したかのように沸々と熱くなる。


「み、見ないでください」
「無理。穂乃果の全てを僕は見たいんだよ。こんなに綺麗なのに見ないなんて無理だ」
「あっん……」


 胸元に舌が這う。熱くて這われた場所が溶けそうだ。
 玲司の足が穂乃果の足の間に強く食い込み柔らかな弱い場所を刺激してくる。


「ふっ……ん……れい、じさん……」
「ん? どうした?」
「あっ……やぁ、もう……」


 じれったい刺激に身体がよがってしまう。もっと欲しいと言いたいけれど、自分が淫らに玲司を求めている事が知られるのはなんだか嫌だ。それでも好きでもないのに身体はこの男を求めてしまっている。それを認めてしまうことにまだ心が抵抗しているのだ。


「言わなくちゃわからないよ?」
「っ、言いません……」
「まだまだ素直なところは僕に見せてくれないか。じゃあ僕の好きにさせてもらからね」


 穂乃果の胸を美味しそうに吸う玲司の艶めいた表情、ちゅぱちゅぱと吸う音に視覚が、聴覚がくらりと目眩を起こしそうなほどに淫靡で力が抜けそうになる。
 くるりと身体を動かされ穂乃果は壁に手をついた。玲司は後ろから覆いかぶさり身体を密着させてくる。玲司の熱が穂乃果の中に入り込み身体にビリビリと電気が流れたかのように背をのけぞった。リズミカルに動く玲司を受け止めるだけで必死の穂乃果の口からは甘い声が流れだす。


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