【完】ネコ系男子は幼なじみだけに素顔を見せる
「ナギ、人様の家だぞ?」



「分かってるわよ!ずっと心絆心絆ってほんと、うざいんだから…。あたしは認めない。柚弦にふさわしいのはあたしなんだから!」



今にも泣きそうな声。



渚がどれだけ柚弦のことを思っているか、その場にいた心絆たちに伝わる。



ナギちゃん…。



「帰るわよ理人。ご馳走様!!」



「待ってナギ!じゃあね心絆ちゃん、柚弦くん」



2人が帰って行った後、しばらく沈黙が続いた。



「なんか、嵐のように帰って行ったね心絆」



沈黙の中、先に言葉を発したのは杏子。



それがきっかけで言葉を発するのが苦しくなっていた心絆もようやく口を開くことができた。



「うん。ていうか、ナギちゃんってゆずくんのこと好きだったんだ」



私が2人といたのは保育園まで。それ以降は1度も会っていない。



ゆずくんは何度か会っているようだったけど、そんなこと一言も言ってなかったな。
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