【完】ネコ系男子は幼なじみだけに素顔を見せる
「お?お客さんか?」



そこに現れたのは先程まで柚弦と渚の撮影をしていたカメラマンの男性。



名前は進藤 晃(しんどう あきら)。



長身な身長に、口元の髭がとてもワイルドな彼は撮影現場の監督も務めている。




「ココ、こちらオレたちの専属カメラマンの進藤さん」



「神崎心絆です。初めまして」



「進藤だ。この子か、ゆずが溺愛している彼女ってのは」



進藤はモデルや関係者のことならなんでも知っている。



心絆のことを知っているのは柚弦から直接聞いたことがあったから。



あまり心絆との関係は話さないようにしている柚弦だが、進藤への信頼が強いためよく恋愛相談をしている。



それは他のモデルやスタッフも同じ。



35歳という若さだが周りからの信頼も厚く、皆の頼れるお兄さん的存在だ。




「えっと…」


関係を知られていることに戸惑いを見せる心絆だが進藤はニッと笑い、心絆に優しく話す。




「安心しろ。オレは口が堅い方だから、お前らのことは表には出さない。今日は見学か?」



ワイルドだけど、思ったより優しそう。



「ボクが連れてきたんです。柚弦くんがそろそろ限界そうだったので」
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