【完】ネコ系男子は幼なじみだけに素顔を見せる
「言っていいの?私もゆずくんに」



「いいんだよ」



ゆずくんに優しく抱きしめられてから私はなぜか涙が止まらなくなった。



こんな自分を受け取れてくれて、優しくしてくれて、私に沢山の幸せを与えてくれる。



私は考えすぎていたんだ。




ずっと分かっていたはずなのに…ゆずくんなら私のことをなんでも受け止めてくれるって知ってたのに。



不安が降り積もって溶けて無くなればまた新しい不安が重なっていく。



晴れることのない不安は春の暖かい太陽のように笑ってくれるゆずくんの笑顔がそこに差し込んだら、不安なんて溶けて無くなって私も笑顔になる。



「なんで泣くの?ココは溜め込みすぎていたんだな。これからは溜めないで、不安なことがあったら言ってよ」




ゆずくんは大人気のモデル。



だから付き合う私はゆずくん以上に世間のことを気にしなければならないってずっと思っていて、それがとても苦しかった。
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