【完】ネコ系男子は幼なじみだけに素顔を見せる
心絆は少し離れたところにある、アクセサリーのお店で柚弦が来るのを待っていた。



ゆずくんも大変だな。けどそれが有名人の仕事の1つでもあるんだよね。



プライベートでも気を緩めずに、仕事と同じように振る舞う。



ストレスがかかるかもしれないけど、これは芸能界で生きるための覚悟のうえ。



あ、このイヤリング可愛いな。星のチャームが私好み…!



オシャレ用の指輪もいいなー。



いつか結婚したら素敵な指輪を好きな人と付けて、手を繋いで一緒に出かけたりするだろうな。



もちろん私の相手はゆずくん…!



「お待たせココ」





わっ!びっくりした〜。




急にゆずくんが来たから妄想が現実になったかと思ったよ。




「ゆずくん。もういいの?」



「あぁ。あれから数人来たけど、サインしたらすぐに帰って行った。服も買えたし満足」




1人だけサインする訳にはいかないもんね。



柚弦の手にはさっき居たお店の袋が。



買ってきたんだ。一体何着買ったんだろう。すごい量。



「帰ったら着てみて。ん?そのアクセ欲しいの?」



あ!手に指輪持ちっぱなしだった…!元の場所に戻さないと!



「欲しかったら買ったのに」



「さすがにアクセまではいいよ!そろそろ夜になるから帰ろう?」



アクセサリーを買ってもらうのはもうちょっと大人になってから。



プロポーズを受けるその日までお預けかな。



「そうだね。手を繋ぎたいところだけど…手持つが多いから出来ないね」
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