【完】ネコ系男子は幼なじみだけに素顔を見せる
空いていた左手で自分の頬を思いっきり叩いた。



これは私自身への甘さを身体に知らしめるためのものだ。




「杏ちゃん、私が甘かったよ。今優先すべきはゆずくんのこと。今でもファンの子たちのことも考えてしまうけど、ゆずくんはそれ以上のものと戦っている。だから私はゆずくんのことを全力でサポートするよ…!」





『うん。私もできる限り、心絆たちをサポートするから一緒に頑張ろう』





「うん!」





次の日。




心絆と杏子は朝早くのバスに乗って学校に登校した。





同じ学校の生徒と鉢合わせるときっと質問されたり、陰口を言われる可能性があるためだ。





ゆずくんからはあれ以来連絡がきていない。事務所内でどう話し合って、どう対処するのかすら分かっていない。
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